オリックスの“難事業”を阻むのは? 山川穂高ら大型補強のソフトバンクの覇権奪回の成否は打線にあらずで――【プロ野球順位予想/パ・リーグ編】
日本ハムはダークホース的存在になりそう。でも…
【4位:日本ハム】 2年連続で最下位に沈んでいたが、大幅な戦力補強を施しダークホース的存在になりそうだ。特に先発ローテーションは、新人王候補と見られていた金村尚真があぶれてセットアップに回るほどに充実。エース格だった上沢直之が退団した影響を感じさせない。 もっとも不安要素も少なくない。課題だった二遊間のレギュラーは結局決まらないままで、期待の新外国人フランミル・レイエスも日本野球への適応に苦労している。オープン戦を見る限りでは走塁死やエラーなどのミスも多い。クライマックスシリーズ争いには加われても、さらにその上となると厳しいと思われる。 【5位:西武】 投手陣の充実度はオリックスと肩を並べる。ルーキーの武内夏暉が加わり、先発ローテーションがさらに厚みを増しただけでなく、FA人的補償で甲斐野央も加入。新外国人のアルバート・アブレイユともども、衰えが危惧される増田達至に代わる抑え候補に浮上している。 懸念材料はリーグ最下位の得点力だった打線に改善の兆しが見られない点。新外国人として2門の大砲を手に入れたが、ヘスス・アギラーはまずまずながら、フランチー・コルデロは2打席に1個の割合で三振している。山川とデビッド・マキノンが抜け、外国人が当てにできそうもないとなると、いくら投手が良くても上位進出は難しいと言わざるを得ない。 【6位:楽天】 順位は4位だったものの、昨年の得失点差は-43でリーグワースト。そこから抑えの松井裕樹が抜けてしまい、戦力はさらに弱体化した。松井の後任として則本昂大を後ろに回したため、代わりの先発要員が必要。早川隆久、荘司康誠の両若手が順調なのは朗報で、コディ・ポンセも加わっているが、昨年もリーグ最少の奪三振数だったように、全体的に迫力不足は否めない。 打線も長打が見込めるのは浅村栄斗だけで、オープン戦では17試合でわずか3本塁打。新たに外国人打者を補強したわけでもなく現状維持とあっては、現有戦力の大幅なグレードアップがない限り苦戦は免れない。 [文/出野哲也]