【オートレース】準々決勝戦へ進出の75歳・篠崎実「若い子からは学ぶことばかりだよ」…浜松G1ゴールデンレース2日目
◇浜松オート開場68周年記念G1ゴールデンレース(2日目・9日) ああ、こういうところなんだなあ~と深く勉強になりました。 だから、ミッキー御大はいつまでもリアルな不老長寿の存在であり続けることができるんですね。 75歳(!)の篠崎実が究極のドヤ顔で教えてくれた。 「おう、これを見てくれよ! 新しいメガネを作ったんだ。あの浅倉樹良(37期生のルーキー)が、すげえ格好いいメガネを掛けていたからよ、すぐにオレもマネにして同じ物を買ったぞ! オレはいいと思ったものはすぐに取り入れるんだ! 若いやつに腕じゃかなわないけれど、できるものはどんどん吸収していくんだ。メガネが浅倉よりも似合っている!? ほう、そうなんだ、なるほどね(超満足そうに)」 篠崎の人生は一切、停滞しない。常に変化を求めている。進化の心を忘れない。だから、いつまでも新鮮で若い。日々、貪欲に新しい発見を探し出して、それを自身の血肉へと変えていく。それが篠崎イズムである。 4月29日。SGオールスターの最終日に篠崎は1着ゴールを決めた。ちょうど2年前に自らが打ち立てた「SG開催最年長勝利記録」を75歳63日へと更新してみせた。最強のレジェンドがまたも偉大なる金字塔を打ち立てた瞬間だった。 「もう、たまんねえよな! まだまだオレはやれるな! 10年前のオレよりも、今のオレの方が絶対に強いぞ! でもな、若い子からは学ぶことばかりだよ、本当に。今回も鈴木圭一郎に助けてもらってエンジンの下回り整備をやったよ! そのお陰で2日間続けて3着できたし、本当にありがたいな…」 75歳。 運転はもちろんのこと、歩行すらままならなくなって仕方ない齢に差し掛かっているというのに、なぜ、こうもピンピンのフレッシュな健康体を維持することができ続けるのか。 「オレは食事には気を使っているぞ。これを見てみろ!(シャツをまくって自身の腹を指差しながら)ぜ~んぜん出ていないだろ! むやみに大食いはしないし、覚えておけ。カタカナの食い物はだめだ。スパゲティーとか、パンとかそういうものは控えないといけない。健康を考えて食っていいのはチーズとかプリンだ! あれは筋肉になるからな!」 というかミッキーさん、カタカナはだめって、チーズもプリンもカタカナなんですが…。 「あっ、言われてみたらそうだな(苦笑い)。まあだから、ウドンとかがだめなんだよ。でもウドンが好きなんで、結構食うけどな。がははっ」 とにかく、こういったアバウトで大らかすぎる発想もまた若さを保つ秘けつなのかと…。 大先生がおっしゃる通りに、今シリーズは目をかける鈴木圭一郎の手厚い調整アシストもあり、力強い足色で準々決勝戦への進出を実現した。この好状態、高まる走路温度でのバトルならばG1セミファイナル進出も決して絵空事ではない。 「勝つことは難しいよ。でもせっかく残れたんだし、今から練習に行ってくるぞ(おそれいります)。タイヤはいいものがある。状態もいい。とにかく全力を尽くすだけだ! あとは知らん! いつでもオレはケンカ腰だぞ! かかってこ~いだ! 一生懸命にやっていれば、きっとファンにも伝わる。来年もまたオールスターに出たいな!」 最後に50歳以上も年齢の離れた浅倉(24歳)とおそろいのメガネを掛けていただいて写真を撮影した。 「よお、これを見ろ!」とメガネと掛けて、ガッツポーズを作って隆々の腕の筋肉も見せつけた。 こりゃあ、100歳まで現役を続けていられそうです。いつか日本史の教科書に登場しちゃいますよ、きっと。 そして、最後の最後に「おい! オレは森(且行)クンとも友達なんだ!」 自慢できるものがありまくって、もう素晴らしすぎます。(淡路 哲雄)
報知新聞社