「何をしている人ですか?」と問われ、仕事の話ばかりになる人の悲哀
公私の時間を分ける
仕事と、それ以外の私的な時間とを、きちんと分ける能力と意志を持たなくてはならない。仕事は職場で終わらせて、残りの時間は仕事以外の活動を充実させるべきだ。 趣味や興味関心など、仕事以外の側面も必要である。自分に合っていて継続しやすいエクササイズのプログラムへの参加もよいだろう。運動はストレス解消にも効果が大きい。 もちろん、仕事を持ち帰らざるを得ないことはある。そこまでではなくても、自宅で夜にメールチェックをすることはあるだろう。自宅では仕事をせずに済むのが理想だが、現実問題としては、仕方ない場合もある。 ただし、その罠に嵌まって、業務中に仕事が進まなくても自宅で追いつけるなどとは考えないこと。持ち帰りで仕事を片付ける場合には、仕事の時間をきっちり決めて公私の区切りをつけよう。 とにかく、持ち帰り仕事に私生活を埋め尽くされないことだ。健全なワーク・ライフ・バランスを保つために、私生活の時間を確保しておこう。IT技術の発達のせいでこれはより難しくなっているが、仕事から離れる時間は必要である。
常時接続の世界でワーク・ライフ・バランスを保つ
ワーク・ライフ・バランスを保ち、プライベートの時間を確保するためには、その旨を仕事関係者にはっきり具体的に示すしかない。良し悪しはともかく、昼夜問わずいつでも連絡できる時代である。 仕事と私生活の区切りを失い、仕事に人生を埋め尽くされないためには、2つの課題がある。1つ目は、対応しない時間帯を決めて自分を律することだ。 着信時間も気にせず四六時中、メールや携帯電話のメッセージをチェックしなければ気がすまないようでは、ワーク・ライフ・バランスは絶対にうまくいかない。 第2の課題は、部下を教育することだ。「この時間帯は、真の緊急事態でない限りは連絡を受けられない」と部下にはっきり伝えよう。 さらに、電話をマナーモードにしておくか、別の部屋に置いて、何度も鳴らない限りは電話に気づかないようにしておくのもよいだろう。ここでは、時差のあるエリアの部下や顧客への対応も考えなくてはならない。 「この時間帯は、そちらの営業時間ではあるが、私は就業時間外で、私用や就寝のため対応できない」と理解してもらおう。 時間を気にせず、平気でショートメッセージや電話をよこす部下にも対処しなくてはならない。こうした人に「連絡を受けられない時間がある」と理解させるのはあなたの責任だ。 時間外の連絡に対しては、翌日の業務時間まで一切応答しないのが、いちばん効果的な指導法かもしれない。どうしようもなく身勝手な人でも、その時間帯にまったく連絡が取れなくなれば、さすがに状況を理解できるだろう。 まずはあなたから始めるべきだ。一定の時間帯はオフラインにすると自分に課したルールさえ守れず、部下と連絡をとっている限り、あなたの私生活は他人に支配されっぱなしだ。自分の時間を自分のものにできるかは、あなた次第なのだ。
ローレン・B・ベルカー, ジム・マコーミック, ゲイリー・S・トプチック