人気作が一堂に!ネルケ作品の魅力を詰め込んだ夢のお祭り『ネルフェス2024』
ミュージカル『新テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』、MANKAI STAGE『A3!』、舞台「パタリロ!」、夏休み!オン・ステージ「パペットミュージカル すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」などネルケプランニングを代表する人気コンテンツが一堂に会する『ネルフェス2024』が8月20日(火)、日本武道館にて開催される。ネルケプランニングの野上祥子代表取締役社長、構成・総合司会の川本成、構成・総合演出の小林顕作が見どころや開催に向けての意気込みを語ってくれた。 【全ての写真】小林顕作、野上祥子、川本成の撮り下ろしカット ――ネルケプランニング創業30周年を迎えたタイミングで、2014年以来3回目の『ネルフェス』開催となりました。 野上 10年前に武道館で2回目の『ネルフェス』を開催した際に、当時社長だったファウンダーの松田(誠)が公約として「10年後にまた会いましょう」と言ったんですね。だからこのタイミングでまたやるというのは決まっていたことではあったんです。「コンテンツを介して、お客様とお祭り騒ぎをしたい」という方針はずっとあったので、演劇界きってのお祭り好きのおふたりにメインクリエイターをお願いすることにしました。 川本 誰が言ったそんなこと(笑)? 野上さんとも顕作さんとも長い付き合いだけど、こうやってまた一緒にやれるって嬉しいですね。 小林 10年前も参加したし、付き合いも長いから「声をかけやすい代表」だよね(笑)。 野上 それはあるね(笑)。とにかく武道館に来てくれた方に楽しんでほしいです。せっかくのフェスなので、色とりどりの屋台を食べ歩きするような感覚で、いろんなコンテンツを観てもらいたい。 川本 いろんな作品を通じて俳優やクリエイター、お客さまがつながって、ひとつの場所に集まるってまさにお祭りですよね。その輪がさらに広がるきっかけ、次の10年につながるイベントにしたいですね。 小林 夏だから盆踊りとかやりたいなぁと思ってます(笑)。僕が何かをするというよりも、ネルケがやっている作品を観てもらう、知ってもらう機会にしたいですね。 ――おふたりはこれまでも様々な形でネルケ作品に関わられていますが、ネルケプランニングならではの企画力やクリエイティビティを感じる部分はありますか? 野上 はい、ここはネルケを褒めるところですよ、どうぞ(笑)。 小林 いろんな作品をやらせてもらって、やはり漫画・アニメ・ゲームが原作の2.5次元ミュージカルということで、原作を舞台上で再現するためにはクリエイティビティの部分をどうするか? このコンテンツをどう見せるか? というところは、ネルケさんと一緒に試行錯誤してきたなと思います。ネルケの作品だからこうするという“正解”のパターンがあるわけじゃなく毎回、模索しています。 學蘭歌劇『帝一の國』ではまだ原作の連載が終わっていない段階で、古屋兎丸先生がネームを見せてくださって、原作に先駆けて舞台を上演するという、普通ならあり得ない寄り添い方をしていただきました。舞台「パタリロ!」の時も最初に魔夜峰央先生にお会いしたら、ワイングラスを片手に「何でも好きなことやりなさい」って(笑)。 川本 落語の三題噺じゃないけど、ルールや縛りがある中でどうやって面白くしていくか? 難しいほど燃えるし「無理でしょ」ってものを具現化していくのが楽しい。こっちも「これはできないでしょ」という案を出したりするんだけど、やってみるとできちゃったりするんですよね。僕の中では舞台「よんでますよ、アザゼルさん。」(脚本・演出・出演)をやらせてもらったのが大きいかな。ほぼ全編が下ネタなのに「news zero」に取り上げられて「内容に関しては放送できないですが……」って言われて「じゃあ、何を出すんだよ!」って(笑)。 ――この10年で、“2.5次元ミュージカル”というジャンル自体の世間の受容も大きく変わったかと思います。 野上 2003年に始まったミュージカル『テニスの王子様』が今の2.5次元ミュージカルの形を作ったパイオニアと言われていて、若手俳優の登竜門とも言われますけど、この10年で作品が一気に増えましたね。これはすごく良いことで、ネルケだけでなく他の会社さんも含めて、原作(漫画・アニメ・ゲーム)の魅力に気づいて、それを舞台化することでその魅力をより深めていこうという考え方の人がすごく増えたんだと思います。 抜群の企画力で、弊社でできなかったことを実現させている会社さんも多いし、それは悔しいというよりも嬉しいことで、それでまたネルケが頑張れる部分があります。日本国内での認知度の高まりから、みなさまの「劇場に行く」ということのハードルを下げて、誰もが劇場に行きやすくなったという部分に関しては、少なからず貢献できているのかなと思っています。 小林 「一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会」ができたのが2014年でちょうど10年前。2017年には初代アンバサダーに舞台「パタリロ!」主演の加藤諒くんが就任したり、当時から、作品に携わる中で、お客さまが「行ってみようかな」と気軽に劇場に足を運べる空気を作れたらというのは思っていましたよね。 川本 新しいジャンルというか、概念を作ったわけですからね。「歌舞伎」とか「宝塚」みたいな。それはすごいことですよね 野上 最初に“2.5次元”という言葉を言い出したのはお客さまで「2次元でも3次元でもない――これは2.5次元だ」って。それをお借りしたんです。 川本 その人、すごいですよね(笑)。 野上 本当に会ってお礼を言いたいですよ。 小林 自分はつくる側としてバーッと夢中で走ってきたけど、傍から見たら大成功ですよね。 野上 やはり「知ってもらう」という部分でこの10年はすごく大きかったです。舞台化することで原作の漫画・アニメ・ゲームがまた注目されるって素晴らしい相乗効果だし、ひとつのコンテンツが広がる瞬間に演劇があるってすごいことだなと思います。 歌舞伎や宝塚歌劇団など100年以上の時を超えて脈々と受け継がれてきたジャンルに比べると、表現もノウハウもまだまだかもしれません。でも作品を観たお客様に「明日、また頑張ろう」と思ってもらいたいという気持ちで舞台を制作しています。2.5次元ミュージカルが大好きという方たちには、2.5次元以外にもいろんな面白い舞台があるのでそういうものも観てもらいたいし、いまはわかりやすく呼び名をつけて、ひとつのジャンルとしてやっていますが、ゆくゆくは、「2.5次元ミュージカル」という呼び名がなくなって、同じ土俵で、いろんな作品がある中のひとつになっていく――「舞台として楽しめる作品をやっている。それだけです」となったらいいなと思っています。