パトリシア・ウルキオラの描く次世代のサステナブル。100%アップサイクルな新素材から生まれたテキスタイル。
クヴァドラからサステナブルな新素材を用いたテキスタイル《Sport》が誕生。デザインを手がけたパトリシア・ウルキオラに、製品実現までのアプローチやこれからの時代のものづくりについて話を聞いた。 【フォトギャラリーを見る】 クヴァドラから発表された新たなテキスタイル《Sport》。デザインは世界的なプロダクトデザイナー、パトリシア・ウルキオラが手がけた。クヴァドラとしては初のオーシャンバウンドプラスチックから開発した新素材を使用したこのテキスタイル。「オーシャンバウンドプラスチック」とは、海岸線から約50km以内に廃棄されているプラスチックのこと。クヴァドラはスイスを拠点とする企業〈#tide〉と協業することで、このオーシャンバウンドプラスチックを用いた持続可能性に優れた製品づくりを実現した。
〈#tide〉は、オーシャンバウンドプラスチックの100%アップサイクルに成功した世界初の企業。海洋プラスチックごみを安全な原料に変え、高い品質と耐久性を備えた素材をつくりだす技術を開発した。
今回《Sport》に使用されるオーシャンバウンドプラスチックは、タイの海岸線から10km圏内で回収されたプラスチック廃棄物。回収物を再生し、ポリエステル繊維へと加工された。またクヴァドラと〈#tide〉の取り組みは、廃棄物のアップサイクルのみに留まらず、海洋保護やプラスチック汚染問題に対して取り組んでいる沿岸や島のコミュニティを支援し、さらに現地の学校教育や医療サービスを改善するなど、社会と環境への積極的な貢献も並行して行っている。
「Sport」というネーミングについては、合成素材でとても丈夫なことや、この生地の表情がポロシャツに使われるピケ素材や、ヨットセーリングや登山などに使用されるロープの材質を思い起こす事から付けられた名前だという。立体的に2色または3色の糸を組み合わせることで浮かび上がる、小さな花柄のグラフィックが特徴的だ。従来の平面的なポリエステル製テキスタイルとは異なり、触感と立体感に富み、深みのある色彩を表現している。