橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子が自身の“千尋”をアピール「全員違っていて面白い」舞台「千と千尋の神隠し」製作発表
3月11日(月)に開幕する舞台「千と千尋の神隠し」の製作発表が2月29日に開催され、千尋役の橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子、演出のジョン・ケアードら総勢21人が登壇した。 【写真】千尋役を演じる橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子 舞台「千と千尋の神隠し」は、10歳の少女・千尋が、神々の世界に迷い込み豚の姿に変えられてしまった両親を救うために懸命に働き、生きる力を呼びさます姿を描いた宮﨑駿による大ヒットアニメーション映画を基に、2022年に東宝創立90周年記念公演として初めて舞台化された作品。ジョン・ケアードが翻案・演出を手掛けている。 2023年には御園座で再演、3月11日(月)に帝国劇場からスタートする全国ツアー公演と並行し、4月から8月にかけて、ロンドン・ウェストエンドのロンドン・コロシアムでの初の海外公演も実現するとあり、今また大きな注目を集めている。 そんな本作の製作発表が2月29日に開催され、千尋役を演じる橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子、演出のジョン・ケアードら総勢21人が登壇。まず、橋本が「私にとって、この作品はかけがえのない作品です。いろいろ大変なこともあったのですが、ひと言では語りきれないほどの経験をさせていただき、役者人生の中でこれだけ充実した時間を過ごせるというのは本当に幸せなことだなと思いながら(前回の)ツアーを回らせていただきました。私にとって、大切な千尋という役を今回もやらせていただけることを本当にうれしく思っております」と。 続けて「今回は李奈ちゃんと桃子ちゃんという、パワフルで新鮮ながらも学ぶことがたくさんある千尋を稽古場で見させていただいて、私自身もまた進化した千尋をお見せできるのではないかなと。私は今年で25歳になったのですが、年を重ねたからといって10歳の千尋と遠ざかっていくわけではなく、より千尋の気持ちが分かったり、寄り添えるようになり、私自身でも驚いています。とにかく皆さんに早くお見せしたいですし、 どれだけ期待していただいてもそれを裏切らない作品になっている」と語った。 橋本同様に続投となる上白石も「今年も大好きな作品に携われること、一員になれることをとても幸せに思っております。どの会場においてもこの素朴で素晴らしいストーリーを信じて、それを伝えることに徹し、大切に千尋を演じたいです。千尋は今日ここにいる4人と、アンダースタディを務める森莉那ちゃんと5人で作っていますが、その他のキャストも倍に増え、頼もしいスウィングさんも加わり、よりこの作品の世界が豊かに、自由になっているのを日々肌で感じています。私も毎日新鮮な気持ちで、柔らかく、そして誠実に千尋として生きていけたら」と思いを語った。 一方、今回より新たに千尋役に加わる川栄は「私は、初演の時に萌音ちゃんが千尋役をやっているのを見に行かせてもらったのですが、幕が開いた瞬間に“本物の千尋がいる”と鳥肌が立ったのを今でも覚えていて。その作品に自分が参加できるとは全く思っていなかったので、今こうしてここに立てていることを本当にうれしく思います。新しいキャストを温かく優しく迎えてくださるこのカンパニーの皆さんに感謝をしながら、開幕までもう少し稽古を頑張り、一生懸命千尋を務めたい」と意気込みを。 同様に新加入となる福地も「現在も絶賛稽古中ではあるのですが、千尋として自分が参加していることが不思議でたまらない気持ちでいます。初演を私は劇場で見ることができなかったのですが、いま一番いい席で生の千尋を客観的に見て、たくさん学ばせていただいていて…。自分の体が感動しているという体験をさせていただいていて、楽しくて仕方がないです。いつも共に稽古を頑張っている皆さんと一緒にできるということで、不安な気持ちというよりは、この作品をお届けできることをとても楽しみにしています」とほほ笑んだ。 今回は4か月にわたってロンドン公演が開催されるのが注目ポイントのひとつだが、橋本は「正直まだどういう感じになるのか想像ができていない部分があって、ネットなどで写真を見ても、本当にこの舞台に立つのかなっていう。言葉が通じないというのはありますが、ヨーロッパの皆さんもジブリの作品を幼いころからたくさん見ていて、せりふを覚えていたりするじゃないですか。なので、見ているだけで楽しんでいただけると思いますし、ジブリの名作の“千と千尋の神隠し”ということで心配はしておらず、どういうふうになるのか私自身も楽しみ」と。 対して、上白石は「先日、ロンドン公演までのローテーションが発表されたのですが、千尋を演じる回数を数えたらとんでもないことになっていて(笑)。まずはロンドンでやるとか関係なく、健康第一だなと思っています。これまでジョンはロンドン用に違う表現を作るということは全くしていないので、言葉が分からない方々に対し、動きや空気感をそのまま届ける時間になるのではないかなと。いざロンドンに行ったら演出が変わるかもしれませんが…(笑)。日本人として、心を持って真っすぐ向き合いたいと思っています」と長丁場への覚悟をのぞかせた。 そして、これまでの稽古を通しての印象的なエピソードに話題が及ぶと、川栄は「私は千尋を演じる上での体力面もそうですし、さまざまな都合で稽古にあまり参加できなかったりとすごく不安なことが多い中で、“大丈夫っしょ! いけるっしょ!”といつも明るい環奈ちゃんと(笑)、私が分からないことを背中で見せてくれる萌音ちゃんに本当に助けられていて。この2人を見習いながら、私も新しい千尋を作っていけたらと思っています」と。 福地は「私は、ジョンが言っていた“不安になる気持ちも分かるけれど、心配しなくていい。稽古に来る時はみんなエネルギーを持ってきてください”っていう言葉がすごく心に残っていて。この作品に出てくる生きものたちはパペットで表現されていることが多いのですが、 小さな生きものから大きな生きものまで、人が命を吹き込んでいて、それによって見えなかったものが見えてくる。そこにその“エネルギー”を感じて。そういう感動や発見が毎日あって、自分も生きものたちと会話しているように舞台に立てたら」と願望を口にした。 湯婆婆・銭婆役を演じる夏木マリは2001年上映の映画でも同役の声優を務めているが、「舞台を見に来られる方には映画を見ているファンもいらっしゃると思うのですが、演劇として成立させるために声優をやった時の声は忘れて新たに作っていったので、誤解を恐れずに言えば二重苦でした」と告白。 「当時やったことが足かせになったといいますか、“前はこうやって言ったけれど、いざ動いてみるとそうじゃない”というのがたくさんあって…。でも、 ジョンが初演の稽古の時に“決して皆さんモノマネはしないでください”とおっしゃって、それで何かがストンと落ちたような気がして。自分の手足を使った湯婆婆・銭婆にしていくのに、他の演劇よりも2倍も3倍も時間がかかりました」とその苦悩も明かした。 最後は4人が演じる千尋がそれぞれどのような個性があるかという質問が。4人は大盛り上がりしながら相談し合い、橋本は「直感を大事にする千尋」、上白石は「聞きの千尋」、川栄は「せっかちな千尋」、福地は「のんびりな千尋」と回答し、上白石が「本当に全員違っていて面白いので、ぜひ全員見てほしい」とアピール。さらに、会話の中で川栄は橋本の現場での立ち振る舞いを絶賛し、「“スナック環奈”のような状態で私や桃ちゃん(福地)の悩みをひたすら聞いてくれる」とカンパニーの絆を感じさせた。
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