生活者の視点で企業の「非財務情報」を知るための方策
「魚は頭から腐る」というが、どうやら企業にも同じことがいえるようだ(写真:masa/PIXTA)
英語では「Fish Rots from the Head(Down)」、要するに「トップが腐敗したら組織はダメになる」という意味である。 1990年代、ある巨大官庁の組織の末端の官僚から、露骨に接待などを要求され、当惑したことを記憶している。数年ののち、その官庁の事務次官が収賄罪で逮捕され有罪となったときには、なるほどと納得した。組織風土はトップが作るものである。 もちろん、民間企業でも原理は同じである。トップの作る企業風土が高潔さを欠いていれば、それは組織全体に浸透する。したがって、投資対象企業の社長やCEO(最高経営責任者)の人物を知ることは、投資家として意味のあることである。 業としてM&Aに携わっていたときは、相手企業の経営者もしくはオーナーと会ってその人物を見ることが、財務諸表分析やデューデリジェンス以上といってよいほど重要であった。 ただし、市場で株式投資を行う場合には、対象企業の経営者と面識があるケースはまれである。そのような企業に好んで投資しているが、その数は極めて少ない。
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蟹分 解