生成AI「Gemini」で生まれ変わる「グーグル検索」…使い勝手と検索トラフィックはどう変わるのか?
生成AIの技術を導入
私たちがこれまで慣れ親しんできたグーグル検索が大きく変わろうとしている。 今月中旬の開発者会議「Google I/O」では様々なAI関連サービスが紹介されたが、一際関心を集めたのが同社の主力商品である検索エンジンの行方だ。 【写真】「ChatGPT」が業務効率を上げる仕事、逆にマイナスに作用する仕事 「Gemini(ジェミニ)」と呼ばれる生成AIの技術を導入することで、グーグル検索がユーザーの知りたいことをずばりと教えてくれるようになるという。 既に昨年から「SGE(Search Generative Experience:検索生成体験)」という呼称で提供されてきたが、これは試験的なサービスだった。このSGEを今回、商品化して「AI Overview」という正式名称で提供するという。 まず最初は米国から同サービスを開始し、今年末までには世界全体で約10億人の利用者に提供する予定という。
日本語でも使えるが動作は未だ不安定
ただ、実際には既に日本語でも使えるようだ。ユーザーの使い方に応じて、検索エンジンのAIが自動的にどんな情報を欲しがっているかを判定して、それを提供してくれる。 たとえば単に「電気自動車」というキーワードを入力すると、従来のグーグル検索と同様に「価格比較サイト」など諸情報を掲載したウエブ・サイトがリスト化されて表示される(図1)。 これは恐らくAIの方で「このユーザーは電気自動車の購入を検討している」と判断して、その参考となるサイトを提示することにしたのだろう。 図1)単にキーワード検索すると従来と同じようにリスト化されたサイトが表示される これに対し「電気自動車の現状を詳しく教えて」とリクエストすると、今度はAIがその解答をコンパクトにまとめた文章として返してくる(図2)。 これはちょうどChatGPTに質問して答えを貰うのと同じような感覚である。回答の真下には、引用元のウェブ・サイトがスニペットとして表示され、そこをクリックするとオリジナルのサイトに移動する。 図2)文章で質問するとコンパクトな回答を返してくれる ところが、さらに深堀りして「電気自動車とハイブリッド車のどっちを買うのが得かな?」と質問すると、なぜか従来のリスト化されたサイト表示に戻ってしまう(図3)。 本来こうした難しい質問こそ賢いAIの知恵を借りたいところだが、まだそこまでは頼りにならないようだ。というか、恐らく現時点では動作が安定していないのだろう。 図3)ちょっと難しい質問をすると従来の検索エンジンに戻ってしまう