青森山田、完勝で準決勝・尚志との対戦へ。初出場盛岡大附も健闘見せる
第23回東北高等学校新人サッカー選手権大会は1月28日、Jヴィレッジにて2回戦が行われた。ピッチ4では岩手3位盛岡大附と青森1位青森山田が対戦した。 【フォトギャラリー】 盛岡大附 vs 青森山田 序盤から青森山田が盛岡大附陣内に勢い良く攻め込んだが、盛岡大附も粘り強い守備を見せて青森山田を苦しめる。しかしそれでも青森山田はわずかな隙を突く。27分左サイドバックDF西尾啓汰(2年)がクロスを上げると、盛岡大附GK斉藤潤(2年)がパンチングに行くも、FW藤井維咲(2年)がヘディングシュートを決め、先制に成功した。この後も青森山田が多くの決定機をつくり出し、前半は1-0と青森山田リードで終えた。 後半は少しずつ青森山田の強度に慣れてきた盛岡大附が前に出て決定機をつくり出す。チーム一のテクニシャンキャプテンMF小嶋翔月(2年)がドリブルで中に切れ込んでシュートを放つ場面もあった。しかし、前掛かりになる相手をいなせるのが青森山田だ。49分右サイドバックから後半途中に左サイドバックに回ったU-17日本高校選抜候補DF小沼蒼珠(2年)のクロスから、途中出場のFW大沢悠真(2年)がバックヘッドのような形でヘディングシュートを決めて突き放した。 その後は青森山田が強さを見せ、58分にはコーナーキックから混戦の中ゴールが決まり、65分には途中出場DF中島斗武(2年)のクロスからFW桑原唯斗(1年)がゴールを決めた。70+2分には右サイドからクロスを受けた大沢がこの日2点目となるゴールを決めて、終わってみれば5-0と完勝で青森山田が29日の準決勝尚志戦へ駒を進めた。 前半やや攻めあぐねたが、正木昌宣監督は「(雪で)サッカーをやっていないので、この時期は少しずつコンビネーションが合ってきて連係が良くなります。相手が後半攻めてきてゴールに向かいやすくなりました」と試合を振り返った。それでも「もうちょっと欲しかったですね。点数が、ではなくて、局面局面でもっと優位に持って行きたかったです。グループでうまく対応できていますが、1対1で弱さを見せています。サッカーは1対1で負けないのが大事です」と青森山田らしい対人プレーの強さをあまり見せられなかったことを課題に挙げた。 それは昨年からレギュラーで活躍している小沼も感じていた。小沼は体調不良もあり、1回戦は出場回避し、この試合が今大会初出場だった。「青森山田には切り替え、球際、ハードワークの三原則がありますが、全然足りませんし、俺たちはこんなものじゃない、負けられないと思いました」とやるべきことをやりきれていないと感じ、「自分が引っ張っていかないと」と強い決意を語った。準決勝はプレミアリーグEASTでもぶつかる尚志との対戦になるが、「絶対負けられません。プレミアを通して1年間戦っていく相手です。『今年の山田も強いな』と相手の意識に植え付けられれば良いですし、今日以上にやらないと」と意気込んでいた。 今大会初出場となった盛岡大附は大敗となってしまったが、最後まで攻守でチャレンジする意識が高く、健闘したと言って良い戦いだった。チームを率いるのは今年で6年目となる元盛岡商監督の太田浩史監督。2006年度の選手権で盛岡商を全国優勝に導いた名将齋藤重信さんもベンチ入り。「自分は荷物運びだから」と謙遜するが、選手たちに熱い檄を飛ばしていた。サイドからのドリブル突破や足下の技術を大事にする攻撃サッカーは、かつての盛岡商を彷彿とさせるものだった。