市議会は必要か?議論しよう なり手不足で定員割れ受け、市議会自らシンポジウム開催 長野
長野県岡谷市の市議会(定数18)は3日夜、議会の在り方を市民と考えようと、初のシンポジウム「岡谷市に議会は必要か?」をカノラホールで開いた。任期満了に伴う昨年4月の市議選が1936(昭和11)年の市制施行以来、初めて定数割れで無投票になったことを踏まえ、議員のなり手不足問題をテーマに企画。市民ら約200人が参加し、講演やパネル討論を通して議会の役割や在り方を考えた。
「岡谷市議会に18名は必要か」と題したパネル討論では、今井康善議長と市民の代表2人が意見を交わした。今井議長は「何人が適正なのかは議会だけで判断するのではなく、市民意見を聞いて考えたい」と強調。昨年4月の市議選結果を受けて有志で「市民と議員の架け橋の会」を結成した春谷(かすや)巻雄さん(78)は「議会は多様性で活性化する」とし、若い世代や女性が議員になりやすい環境をつくることが大切―と訴えた。
元三重県知事で早稲田大マニフェスト研究所(東京)顧問の北川正恭さんによる講演もあった。北川さんは「議会の役割は執行権に対する監視機能だけでなく、民意を反映すること。住民の代表として新しい岡谷をつくっていくために重要な機関だ」とした。
市議会は、議員のなり手不足解消に向け、シンポジウム参加者らにアンケートを実施。議員の定数や報酬を見直すかどうかの議論に生かす考えだ。22日~12月17日にかけては第2弾として市内6会場で議員定数をテーマに市民との対話集会も計画している。