夏至のころに急に「甘いもの」を食べたくなる理由って?聞けば「なるほど」と納得【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】
5月病の進化系「6月病」、中医学的にはどう起きている?
ちょうど昨日、6月病という記事を見ました。最近そう言われ始めたのだなと驚きましたが、「5月病がもっと重くなった状態」や「責任感の強い方や管理職、仕事をあきらめる・手放すができない方に多く見られる」などと表現されていました。中医学的に見るとどのようなイメージとなるでしょうか。 5月病のお話をさせていただいた際に、「ストレスを受けた時に、おなかの中で一手に引き受けてくれるのは肝の機能」というお話をさせていただきました。ストレスを感じ続けて5月病となってしまっている方が、そのままストレスを感じ続けると…“イライラ”した行動が顕著になる肝鬱(かんうつ)さんは、肝に熱が発生して煙が上がっている状態とイメージします。また、肝は全身をめぐる血の貯蔵プールの役割もします。その肝がイライラまで至る肝鬱さんになってしまうと…たまっている血にも影響が及んで固まって動きが鈍くなる状態“瘀(お)”になります。つまり瘀血(おけつ)です。 ストレスからの鬱はいくつかのタイプ分けがありますが、肝の機能のグループには胆も含まれています。胆がストレスを受け続けた場合は…目に見えるイライラはない場合も多いですが、内に秘めた“沸々としたイライラ”を抱えられていることが多いです。胆も肝と同様に、ストレスを受け続けると胆にも熱が発生してしまいます。それだけでも通常の機能運行に影響が生じてしまいますが、胆では肝と違って痰(たん)が生じてしまいます。さらさら流れる水のめぐりが滞ってゼリーのようになり流れが滞ってしまう痰です。 5月病では年度替わりのイライラを受けて肝の機能に影響が出てしまった。その状態が6月まで続いてしまうと肝あるいは胆の“鬱”になるほどの状態となってしまう…と読み解けるのかもしれません。
この時期に食べるといいもの、食べてはいけないものは
血と水の滞りは“温める”ことが基本です。ただし、ストレスを受け続けて肝鬱さん、あるいは胆鬱さんにまでなってしまっていると“熱”が発生しているので…温めることはなかなかやっかいなのです。まずは“めぐる”ようにしてみましょう。ここで活躍するのが「玄米ご飯」と「ジャスミン」。玄米は身体に気を与えてくれながら、水のめぐりに働きかけてくれます。ジャスミンは特に香りが良いので、気のめぐりに働きかけて鬱を解く働きをしてくれます。 甘い物を食べると脳内にはハッピー物質が出ると言われるので、イライラすると甘い物を食べたくなったりしますよね。ただ、“甘い”という味は“ベタベタする・湿をためやすい”などの働きにもつながります。ストレス続きで鬱状態になっている時は“めぐらせる”ことをしたいので、6月病と言われるようなストレス続きの時は少し甘い物は控えると身体が喜びます。 ストレスがあると甘いものが欲しくなって、食べたくなります。湿と熱が体内に一緒にいるのはかなりやっかいですが、これを上手に乗り越えられると健康に過ごせます。 イライラする方には玉ねぎがおススメです。玉ねぎを1cm厚の輪切りにして、フライパンで焼き目をつけます。この時に油は要りません。玉ねぎに熱が入ると、輪切り玉ねぎが解けてきます。解けたら加熱終了の合図です。チャック付きビニール袋に入れて、お酢とうこんを入れてもみもみしてください。冷蔵庫に入れて1晩すると、味が整って美味しく食べられます。気の巡りを良くして、水のよどみである痰を取り除き、身体の中の湿を乾かしてくれる。そんな優れモノです。
再春館製薬所 田野岡亮太