今年は6700人のミリオネアが移住か… 世界で一番「富を引き付ける場所」は3年連続で「UAE」 ── 最新報告(海外)
最新レポートによると、2024年には過去最高となる12万8000人のミリオネアが国を移動する見込みだ。 中でも、アラブ首長国連邦(UAE)はミリオネアの流入が最も多くなると見られていることをHenley & Partnersのデータは示している。 Henley & Partnersが「富を引き付ける場所」と呼ぶUAEが同社のまとめたランキングで1位になるのは、今回が3度目だ。 最新レポートによると、富裕層は他のどこよりもアラブ首長国連邦(UAE)への移住を選択している。 富裕層に資産を守り、成長させるための移住先をアドバイスするHenley & Partnersの最新レポートのデータによると、今年は6700人のミリオネアがUAEに移住する見込みだ。 これは移住が見込まれるミリオネアの数が2番目に多かったアメリカ(3800人)の約2倍だ。 ただ、ミリオネアの総人口はアメリカが依然として最も多く、中国がそれに続くという。UAEは14位だ。 この年次レポートによると、2024年は過去最高となる12万8000人のミリオネア ── 100万ドル(約1億6000万円)以上の投資可能な流動資産を持つ個人 ── が国を移動する見込みだ。 Henley & Partnersは2024年を「富のグローバルな移動の重大な分岐点」と呼んでいる。 同社の計算は、富裕層に詳しいNew World Wealthから提供された2024年上半期のミリオネアの移動データに基づいている。 中国は2024年、最も多くのミリオネアを失おうとしていて、1万5200人の個人富裕層(HNWI)が国外に流出する見込みだという。 これは昨年年に比べて10%多い。2023年も、ミリオネアの国外流出は中国が最も多かった。 そして、ミリオネアの国外流出が今年、2番目に多くなると見られているのがイギリスで、9500人が離れると予測されている。これは4200人だった2023年の約2倍だ。 イギリス、特にロンドンは超富裕層のハブとしての地位を急速に失いつつある。Henley & Partnersのレポートのプレスリリースによると、イギリスのシンクタンクInsitute for Governmentの所長ハンナ・ホワイト(Hannah White)氏は、今夏の総選挙に向けた超富裕層を狙った政策変更がその原因との見方を示している。 Henley & Partnersによると、個人所得税は「なし」、「ゴールデン」ビザ、贅沢なライフスタイルのおかげで、UAEは自らを世界的な「富を引き付ける場所」に位置付けている。 UAEはこのランキングで、3年連続で1位を獲得している。 UAEの中心都市ドバイでは不動産投資ブームが起きていて、2024年や2025年に完成予定の高級集合住宅はわずか1日で完売している。 HNWIの誘致と維持は、地政学的関係において重要な戦略の1つだ。 Henley & Partnersのプライベート・クライアント部門の責任者ドミニク・ヴォレク(Dominic Volek)氏は、ミリオネアの移住は「政府にとって借金いらずの資金源」として、受け入れ国に資本と人材を注入すると指摘している。
Kiera Fields