【パリ行きの命運を託された23選手】苦しむ川崎Fを離脱で決戦の地へ…覚悟と気概を見せよ、19歳センターバック高井幸大
パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、高井幸大にフォーカスする。 ■高井幸大(DF/川崎フロンターレ) 高井は川崎Fひと筋の19歳センターバック。ジュニアからジュニアユース、ユースと階段を駆け上がり、2021年の2種登録も経て、翌22年にファーストチーム昇格を果たす。1年目はJ1リーグ出場ゼロに終わるも、チームが過渡期突入の昨シーズンは第8節での先発フル出場デビューから主力に定着。ただ、前年限りで谷口彰悟が去った川崎Fの失点は減らなかった。 今季は自身初の開幕スタメン。ケガがちなジェジエウにもう全幅の信頼を置くわけにいかないなか、第2節で昇格組のジュビロ磐田に5失点という苦い経験をしたが、今や19歳高井は川崎Fサポーターの“希望”であり、新たなDFリーダーとなるべき存在だ。U-23日本代表招集で高井が離脱した川崎Fは最終ラインのやりくりが難しくなっており、早くも高井帰還を望む声が上がる。 さて、今予選のU-23日本代表センターバック陣における高井の立ち位置は、蓋を開けてみないとわからないというのが正直なところ。先月のU-23マリ代表戦では西尾隆矢(セレッソ大阪)とのコンビでフル出場も3失点。続くU-23ウクライナ代表戦での起用はなかった。マリ戦を大岩剛監督がどう評価したかに関わらず、西尾は今予選を通じた最終ラインの軸と推定できるため、そのパートナーに高井が起用されるか否かか。 いや、必ずしも西尾とのセットとは限らない。中2日が基本という総力戦のなか、対戦相手がロングボール攻勢を敷くことも考えられ、そうなると、例えば180cm西尾&182cm鈴木海音(ジュビロ磐田)のコンビではハッキリ言って厳しい。対して高井は192cm。エアバトルは身長が全てではないが、相手に対するメッセージとして、高井を先発起用するアイデアは必ず存在する。 グループステージで言えば、初戦で激突するU-23中国代表はフィールドプレーヤーの半分以上が180cmオーバー。ただでさえ総力戦というなか、泥臭くも愚直に日本から1点を奪いに来るのがアジアの怖さであり、高井もこの初戦から起用されると予想する。苦しむ川崎Fを離脱し、決戦の地カタールへ来た高井…パリ五輪出場権獲得に貢献する勇ましい姿を川崎Fサポーターに見せて欲しい。
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