5月は熱中症に要注意!管理栄養士が教える「超シンプルな予防法」とは?
熱中症は夏に起こるものと思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、実は梅雨入り前の5月頃から熱中症にかかる人が増えてきます。特に5月は、まだ汗をかくことに慣れていないため、発汗がスムーズにいかず、熱中症のリスクが高まります。今回は、熱中症の原因と予防するための「水分の取り方」をお伝えします。(管理栄養士 岡田明子) ● 熱中症の原因と症状 寝不足や飲み過ぎにも要注意 熱中症とは、暑さが原因で起こる体調不良の総称です。熱の産出と放散のバランスが崩れると、体温が急激に上昇してさまざまな症状が起こります。熱中症を引き起こす原因は、「環境」「体」「行動」の3つが考えられます。 【環境】 気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、急に暑くなる、締め切った屋内など 【体】 栄養が不足している、寝不足、お酒の飲み過ぎ、風邪や下痢などでの脱水症状など 【行動】 激しい運動、長時間の屋外作業、水分補給不足など また、暑い室内や屋外の炎天下で次のような症が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。 ・めまいや立ちくらみ ・顔がほてる ・筋肉のけいれん ・体がだるい ・吐き気
● 1日にどのくらい水を飲めばいい? 熱中症予防でポイントとなるのが「水分」です。私たちの体にとって、水分は栄養と同様に大切です。水分が不足して起こる「脱水症」は、十分な水分補給で予防できます。 人は、体に必要な水分を血液やリンパ液、唾液、消化液、尿などの体液として蓄えています。体液には、体の状態を維持する大切な役割があります。 体重に対して、乳児は約70%、成人男性は約60%、高齢者は約50~55%の水分が蓄えられていると言われています。 水分量を保つためには、1日に入る水分量と出る水分量のバランスを保つことが大切です。尿や便、呼気、汗などの排せつから、1日におよそ2500mlの水分が失われます。それを補うためには、飲み物や食べ物から同じだけの水分を、取り入れなければなりません。 体格や食事内容にもよりますが、食べ物に含まれている水分を除き、飲み物から最低でも1日1200mlほどの水分を取ることが推奨されています。 1日にどのくらい水分を取っているのか、いつも使っているコップで計算しておくのも目安となります。1200mlに満たない場合は、食事に汁物を追加したり、意識して水分を取るようにしていきましょう。 体液は、真水ではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質と呼ばれる成分を含んでいます。大量に汗をかいて水分を失った場合、電解質を含まない水だけではなく、電解質を含んだ経口補水液で水分を補うようにしましょう。 経口補水液は、医学的知見から水にナトリウムやカリウムなどの電解質の塩分と糖分を一定の割合で配合設計された飲料で、水分や塩分を体に素早く吸収させます。そのため経口補水液は、たくさん汗をかいた際に飲むことで、脱水症や熱中症の予防に役立ちます。