双子果のサクランボなどをジャムに加工し、商品化した生徒たち＝村山市・村山産業高

　高温障害で規格外品が多く生じたサクランボを有効活用するため、村山市の村山産業高（坂井孝朗校長）の生徒たちが双子果などをジャムとして生まれ変わらせ、商品化した。複数の品種を用い、奥行きのある味わいと真っ赤な見た目が実現した。「やまがたフルーツ150周年」をＰＲするロゴマークをパッケージに採用し、果樹生産を未来につなぐ思いも込めた。 　今季の県産サクランボの収穫量は高温による障害果の多発などで、前年比33％減の8700トン程度となる見込み。敷地内の園地で栽培実習に取り組む同校でも影響は大きく、受注などでの販売量は例年の約200キロに対し、今年は40キロ程度にとどまった。 　規格外品を用いたジャム作りは前身の村山農業高時代からの伝統で、今年はサクランボ、ラ・フランス、リンゴの3種類を作った。サクランボは双子果などの多発により、例年は生食での販売に回す佐藤錦、山形美人、紅さやかなども材料とした。多品種を組み合わせたことで、ほどよい酸味を感じるすっきりとした甘さ、これまでになく鮮やかな赤色に仕上がった。

サクランボの双子果などを材料に、高校生が加工したジャム＝村山市・村山産業高

　同校で25日、商品化に携わった生徒たちが3種類それぞれの特徴を紹介した。3年後藤夢果（ゆめか）さん（17）は「生食では出荷できない物も、加工によっておいしく食べられることを学べた」と話した。 果樹栽培150周年ロゴも 　パッケージには、本県の果樹栽培150周年を記念するロゴマーク、創立10周年を迎えた同校のブランドロゴマークをあしらった。ジャムは来月5日に同校で開かれる「ムラサンキタマチマルシェ」などで販売する。価格は100グラム入り200円。