志望校に入学しても…親を苦しめる中学受験と“その後”「2000万円超の課金地獄」壮絶すぎる実態
東京と神奈川では2月1日から数日間、親子連れが電車移動する姿を朝から頻繁に見かけるようになったのではないだろうか。毎年おなじみのこの光景の原因となっているのは、中学受験だ。少子化が進んでいるにもかかわらず、首都圏のお受験は加熱する一方だ。私立と国立の中学受験者数は昨年まで9年連続で増加し、昨年は過去最高の5万2600人を記録した。今年も同水準になると予想されている。 【び、美脚すぎる……!】佳子さまのミニスカートを着用された貴重なお姿 中学受験には多額の費用がかかる。子どもたちは決戦の2月に向けて、多くが小学校3年生の2月から、早い子は小学1年次から大手進学塾に通い始める。 ◆私立は2月1日から、国公立は2月3日に試験 東京・神奈川の中学受験は、私立が2月1日から、公立の中高一貫校と国立は3日に試験が行われる。中学受験に挑む児童の多くが滑り止めを含めた複数の学校を受験する。午前と午後で別々の学校を受験する児童も少なくない。前日の結果を受けて、翌日受験する学校を変更する児童もいる。それもこれも、合格をつかむためである。 受験日の朝、難関中学や有名中学の校門には塾の講師らが待機している。受験する児童らを校門前で激励するためだ。 塾費用などの教育費を負担するのは、当然ながら保護者だ。大手塾のホームページを見ても、その費用は明記されていない。入塾説明会に足を運んで、初めて月額の費用などを知ることになる。しかも、6年生になると急激に費用がかさむことをどれだけの保護者が知っているだろうか。 ◆夏季講習に数十万円、個別塾に通えば青天井 数年前に子どもが中学受験を経験した会社員のAさんは、無事に試験が終わり、あらためて銀行口座を見た際、残額の少なさに閉口した。 「通い始めた頃の月謝は2~3万円でしたが、6年生になると5万円。春季講習で10万円ほど払いましたが、夏期講習はそんなものではすまなかった。夏休み期間だけで60万円ほど払ったと記憶しています」 Aさん宅が払った塾費用はそれだけにとどまらなかった。大手塾に通いつつ、苦手な教科を克服するために個別指導の塾にも通った。個別指導塾は時間あたりいくらという計算で、単価は集団指導の比ではない。 「苦手だった算数と理科対策で、5年生の途中から個別指導塾に通わせました。正確にいくらだったかわかりませんが、月に10万円近く払っていたはずです。おそろしくて計算する気にもなりません……」 Aさん宅では、6年生の時の塾費用は300万円近くにのぼっていたと推計される。Aさんは年収1000万円弱のサラリーマンだが、「子どものために必死だった」と振り返る。 「正直、感覚が麻痺していましたね。自分の収入を考えると相当無理をしたなと思います。6年生でこんなにお金がかかることを知っていれば、事前に備えておくこともできたかもしれません。もっと早く教えてほしかったですね」 ◆中学入学以降もお金がかかることを忘れずに 受験を乗り越えて、晴れて私立中学に入学することができれば、もう塾費用を払う必要はなくなる――というのは大きな間違いだ。超難関中学に入学すると、今度は学校の勉強についていくための塾通いが必要となる。東京大学など難関大学を目指す生徒のための塾、英語専門の塾……。 中学受験をして、仮に中学から大学まで私立に通った場合、教育費の総額はいくらになるのか。ある大手学習塾の関係者は、「家庭の収入によってかける金額も大きく変わる」と前置きしつつ、次のように話す。 「雑誌などでは、中学から大学まで私立だった場合の教育費を1500万円から1800万円と書いているケースが多いと思います。しかし、中学受験は個別指導塾に通えば費用が跳ね上がりますし、大学受験でも塾に通うでしょう。しかも、私立大学の学費は、親世代の頃よりもかなり値上がりしています。教育費は、中学受験の費用も含めて、2000万円を軽く超えると考えたほうがいいのではないでしょうか」 私立小学校から難関中学校を受けた場合、学費はこれにとどまらない。大学までエスカレーター式の名門私立大学附属小学校を受験するとなると、小学校受験のための塾や習い事に費用がかかり、小学校にも高い学費を6年間払う。中学入学までに「数千万円かかった」と話す保護者もいる。 どの道を進めば、どれくらい教育費がかかるのか。正しい知識を持つことが、せめてもの自衛手段だ。
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