熟成12年、もう醸造していない焼酎「あかねちゃん」が生まれ変わった 3種類のリキュール、原料は信州の伝統野菜
阿智村の阿智昼神観光局は、清内路地区で育てられた信州の伝統野菜「赤根大根」を原料に使った「清内路リキュールAKANE」の販売を始めた。地元住民や喜久水酒造(飯田市)が開発した焼酎をベースにして、村名物の「星空」や「ハナモモ」、清内路の「手作り花火」(県無形民俗文化財)をイメージした3種類のリキュールを商品化した。生産者が減少している伝統野菜のアピールにつながれば―と期待している。 【写真】リキュールの原料となった信州の伝統野菜「赤根大根」
清内路の住民らは20年ほど前、赤根大根の漬物以外の商品化を目指して喜久水酒造に協力を依頼。2006年、麦や芋の代わりに赤根大根を使って仕込む焼酎「あかねちゃん」を開発した。赤根大根の風味がかすかに残り、飲みやすさが特徴だが、赤根大根の生産者の減少から現在は新たな醸造をしていない。
「星空」「ハナモモ」「手作り花火」をイメージ
清内路の住民らでつくる「あかね焼酎委員会」の桜井久江会長が、同観光局の白沢裕次社長に「(2023年の)昼神温泉の出湯50周年に合わせ、(焼酎を)違った形で世に出せないか」と相談。たるで12年熟成させた焼酎に、ラズベリーやヒノキ、モモの香りなどを加え、新たなリキュールとして売り出すことになった。
アルコール度数は36%でロックや水割りなどで楽しめる。ヒノキが香るリキュールは清内路の手作り花火をイメージ。ハナモモにちなみ、モモの香りがするリキュールは、グレープジュースなどと混ぜて飲むと味わい深くなるという。3種類のリキュールと焼酎の計4本1セットで税込み5400円。500セット限定で販売する。
伝統野菜「赤根大根」をアピール
白沢社長は「焼酎誕生当時の村民の思いがつながった商品。観光客や村民の皆さんが赤根大根を知るきっかけになれば」と話す。村内の土産店などで販売している。