あと2週間でお目見え 新紙幣の印刷工程を報道公開 国立印刷局
7月3日の新しいデザインの紙幣（日本銀行券）発行まで、19日で2週間となった。国立印刷局東京工場（東京都北区）では同日、新紙幣の印刷工程などが報道陣に公開された。 【写真で比較】現行の紙幣と新しい紙幣 紙幣の刷新は2004年以来20年ぶり。新しい1万円札の肖像は「日本の資本主義の父」と称される実業家の渋沢栄一、5000円札は津田塾大創始者の津田梅子、1000円札は破傷風の治療法を確立した微生物学者の北里柴三郎を採用した。裏面は1万円札が東京駅丸の内駅舎、5000円札は古事記や万葉集にも登場する藤の花、1000円札には葛飾北斎の富嶽三十六景が描かれる。 新紙幣は、年齢や国籍を問わずなじみがあるアラビア数字の金額表示を大きくして、見やすくした。傾けると小さな図柄が変化する「3Dホログラム」技術を世界で初めて採用するなど、新たな偽造防止技術も複数取り入れている。 19日の工場では、新デザインの1万円札にフィルム状の3Dホログラムを機械で貼り付けたり、20枚の1万円札がつながったシートを断裁機で切り分けたり、発行に向けて職員たちが黙々と仕事に取り組んでいた。 新紙幣は7月3日に日銀から金融機関に配布され、消費者のもとには順次渡っていく予定。また、国立印刷局は東京や静岡など4工場で新紙幣の印刷工程などが見られる無料の工場見学を7月4日から実施する。（要予約、毎週火曜と木曜）【杉山雄飛】
