「光る君へ」井浦新が道隆役で貫いた、ただ一つのこと
自身が病に倒れてからは何としてでも息子の伊周に跡を継がせたい一心で、28日放送・第17回「うつろい」では一条天皇(塩野瑛久)に「伊周を関白に!」と御簾を越えて取りすがる暴挙に。そして愛妻・貴子(板谷由夏)に看取られ43歳の若さで世を去った。
井浦は、道隆の生涯に「「光る君へ」の世界の中で道隆を演じてきて感じていたのは一点ですね。やっぱり一族、家族への思いであり呪縛であり、その家族というものを道隆を演じるうえでは常に大事にしていました」と思いを巡らせる。道隆にとっては父・兼家が絶対的な存在であり、ひたすら父の教えを貫こうとした彼の生涯をこう振り返る。
「お酒に溺れても、権力に溺れたとしても道隆の根底にあるのは家族であって、父上(兼家)から学び、教えられて手本にしてきた父上のような政、道隆の中では教科書は父上なので、やっぱりそこも親子という関係からなっているので父上から教えられたことは一族をいかに続けていくか、栄華を続けていくということが道隆にとっては一番大事なことなんですよね。だから自分が家族を持ったら今度はそれを息子、今度はその孫へいかに渡していけるか、本当にそこだけを大事にしていた。だから本当に政は不得意な道隆ですけれども家族、一族というものが道隆のすべてだったんだろうなというふうに感じます」
井浦は現在、ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(カンテレ・フジテレビ系)が放送中。同作では主人公(杉咲花)の恩人であり植物をこよなく愛する、大学病院の脳外科医教授を好演している。6月にはアメリカ映画デビューを果たした主演映画『東京カウボーイ』が、8月にはドラマ「アンナチュラル」で当たり役となった毒舌の法医解剖医・中堂系役として出演する映画『ラストマイル』などが待機中だ。(編集部・石井百合子)