初のオリジナル楽曲にTIF出演も…17人の“オーディション不合格者”の苦悩と葛藤<Documentary of another IDOL3.0>
オーディション不合格者たちの“その後”を追った新感覚ドキュメンタリー番組「Documentary of another IDOL3.0 ~不合格者17名の再挑戦の物語~」の第2回が、11月1日にLeminoで配信された。同番組は、秋元康総合プロデュースの「IDOL3.0 PROJECT」で合格し、WHITE SCORPIONとしてデビューした11人ではなく、最終審査まで残りながらも、惜しくも合格できなかった17人の少女たちを追い掛けたもの。17人がFINALIST改めRain Treeとして2025年1月のデビューが決定する前、デビューを目指して奮闘してきた姿が映し出される。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】悔しくないわけがない…!スタッフに真意が伝わらず涙するFINALIST ■もう一度夢に向かって歩み始めた17人 「IDOL3.0 PROJECT」は、メタバースやNFTなどの技術を駆使して活動の場を広げるアイドル第三世代のアイドルを生み出すために秋元が総合プロデュースを務める新アイドル創出プロジェクト。約半年にわたって第7次までの審査を行い、新ガールズグループのメンバーを決定。第2回はオーディションで不合格となりながらも、スタッフの「再度デビューを目指して挑戦してみないか」との呼びかけに反応した17人の再出発からスタートした。 合格者であるWHITE SCORPIONと同じ事務所に所属し、もう一度夢に向かって歩み始めた17人は、それぞれ再挑戦の道を選択した理由を告白。カワチャンは「所属の話を聞いて、みんなとまだ一緒にいられるんだったら、みんなと一緒にいたいし、みんなといないんだったら嫌だなっていうふうに思ってたから」と明かし、コトリは「1人だったら追い掛けていたかは分からなくて…。オーディション期間はSNSを使えたので、ファンの方々に会いたいなっていう気持ちと、ミランが『絶対にコトリも一緒にやろう』って言ってくれたので、それが後押しになりました」と述懐。 一方、ミランは「めっちゃうれしかったです。めっちゃうれしくて! 事務所とかに所属させてもらうことは難しいっていうのが、自分でもいろんなオーディションを受けて分かっていたし、もし希望があるんだったら絶対にそっちを取った方がいいし、『所属するしかない。うれしい』っていう気持ちしかなかったです」と打ち明ける。 2023年11月15日より“FINALIST”というグループ名で活動を開始した17人だったが、2024年3月のWHITE SCORPIONとの合同ダンスレッスンにて、その差を痛感させられる。すでに数曲をリリースしているWHITE SCORPIONとは対照的に、FINALISTはWHITE SCORPIONのイベントや握手会に参加して自己紹介をするものばかりで、合格者と不合格者の差は環境も実力も広がっていたのだ。レッスン後、リーは「今日初めてWHITE SCORPIONのみんなと一緒にレッスンして、『全然違うな』って驚きました。先生から最初に振りを入れしてもらってる時点で、自分の見せ方が分かっていたりするから、手先まできれいだったり、表情と顔の角度とかもNICOちゃんとか特にすごくて。『あ、見習わなきゃな』って尊敬もしたし、『すごいな』って思いました」と振り返る。 ■初めてのオリジナル楽曲は「命しか捧げるものがない」 目立った活動がないまま4カ月が過ぎた頃、FINALISTに朗報が舞い込む。WHITE SCORPIONのミニアルバムの中に、FINALISTの初めてのオリジナル楽曲「命しか捧げるものがない」を入れてもらえることに。2024年7月に行われたレコーディングでは、緊張感と高揚感に包まれたメンバーがスタジオに集結。当時のメンバーの心境を表したような楽曲に、メンバーたちは万感の思いで歌入れしていく。 そして8月3日、世界最大のアイドルフェスとして知られる「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024」で「命しか捧げるものがない」をお披露目。17人はFINALISTとして初めての多くの観客の前でパフォーマンスした。パフォーマンス後、全力を出し切ったメンバーたちはすがすがしい笑顔を見せるが、WHITE SCORPIONはもっと大きなステージに出演しており、依然その差は大きいままだった。 9月8日、「WHITE SCORPION 1st ONEMAN LIVE ~初撃。~」に出演できることに。WHITE SCORPIONのワンマンライブだが持ち歌を披露できることへの喜びと共に、WHITE SCORPIONに対する引け目や悔しい気持ちを抱えながらも、表舞台では複雑な気持ちを見せぬよう一生懸命にパフォーマンスする。だが、パフォーマンス後、スタッフから「常に悔しい気持ちを忘れないでほしい」と苦言を呈され、メンバーのほとんどが涙。悔しさを一生懸命抑え込んでパフォーマンスしていたにもかかわらず、スタッフに真意が伝わっていなかったことにショックを受けたメンバーたちは、本当の気持ちを分かってもらおうとスタッフへ直談判することに―――。 先日、FINALISTは2025年1月にRain Treeとしてデビューすることが発表され、大きな話題になった。同番組は彼女たちがデビューを勝ち取り、Rain Treeになるまでを追ったドキュメンタリーとして配信されることに。「デビューできるのか」という方向性で始まりながらも、デビューすることが確定した状態での配信になったが、内容は「デビューできるのか」から「デビューするまでにどんな苦境を乗り越えたか」という視点に変わることで、よりメンバーたちの心情にフォーカスして視聴できるだろう。 夢をかなえた少女たちが乗り越えてきた葛藤と苦悩の日々、夢をつかみ取った歓喜の瞬間までが映し出される「Documentary of another IDOL3.0 ~不合格者17名の再挑戦の物語~」の第3回は、11月15日(金)にLeminoで配信予定。 ◆文=原田健