木梨憲武“雅彦”の「忘れられない思い出」に父親の愛情を感じ、奈緒“瞳”の目から思わず涙が<春になったら>
奈緒と木梨憲武がW主演を務めるドラマ「春になったら」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第5話「涙の大喧嘩再び!すれ違う父娘の想い」が2月12日に放送された。同作は、“3カ月後に結婚する娘”・瞳(奈緒)と、“3カ月後にこの世を去る父”・雅彦(木梨)が、「結婚までにやりたいことリスト」と「死ぬまでにやりたいことリスト」を実現していく3カ月間を描いた、笑って泣けるハートフル・ホームドラマ。最期は明るく見送られたいと思う雅彦は、阿波野(光石研)にすすめられ「人生ノート」を書き始める。(以下、ネタバレがあります) 【写真】一馬(濱田岳)から塾に正社員として雇用されたことを聞く瞳(奈緒) ■福田靖氏によるオリジナル作品 脚本は「HERO」シリーズやNHK大河ドラマ「龍馬伝」(2010年)、連続テレビ小説「まんぷく」(2018~2019年、NHK総合)などを手掛けた福田靖氏によるオリジナル作品で、演出はドラマ「パンとスープとネコ日和」(2013年、WOWOW)、ドラマ「きのう何食べた? season2」(2023年、テレ東系)などの松本佳奈氏と、映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(2023年)などの穐山茉由氏が手掛ける。 主題歌は、福山雅治が書き下ろし。深澤辰哉(Snow Man)、見上愛、影山優佳、西垣匠、橋本マナミ、矢柴俊博、筒井真理子、光石研、小林聡美、濱田岳らが出演する。 ■「死ぬまでにやりたいことリスト」とは別に「人生ノート」を書き始める 病気が進行しているのを自覚している雅彦は、瞳の友人で葬儀会社に勤める岸(深澤)に自分の葬式を仕切ってほしいというお願いをする。勝手に話を進める雅彦に、岸は戸惑いを隠せず、瞳は驚き、「お父さんの葬式とか想像したくないの」と悲しい気持ちになってしまった。 刻々と変化していく状況に、瞳は自分の結婚式は延期し、雅彦に寄り添うことを考えたりしているが、心の中は不安がいっぱい。一馬(濱田)はお笑い芸人を辞めて塾の講師を始め、正社員として雇用されることも決まった。お笑い芸人を続けてほしいと思う瞳は、自分のせいでお笑い芸人を辞めさせてしまったという気持ちになり、どうしていいのか分からなくなる。 そんな状況の中、雅彦は緩和ケア医の阿波野(光石)に「人生ノート」をすすめられる。自分の人生を振り返って書き記し、自分の好きなものを伝えることで家族や周りの人にも自身のことを知ってもらうというのが、このノートを書く目的。自分のことを再確認することもできるようになるという。 ■“今の自分”や過去・未来を記せる「人生ノート」で自己再確認 「死ぬまでにやりたいことリスト」よりも具体的なことを書けるのが「人生ノート」の特徴。“今のわたし”というところには「趣味・特技」「好きな食べ物・飲み物」「好きな動物」といったプロフィール的なことを書く欄がある。 他には“大切な思い出”や“ここからの話”といった過去・未来について書くページも。 雅彦は少しずつ書き始めていて、それを一緒に見ていた瞳が気になったのが「忘れられない思い出」だった。しかし雅彦は「ここはいいよ」と恥ずかしがり、かたくなに見せようとしなかった。 最後の章「エンディング」には、“葬儀のこと”“遺言者”などの項目があり、余命3カ月、いや、もう2カ月となった雅彦には“死”が現実味を帯びて感じられる項目とも言える。 ■雅彦の「忘れられない思い出」は“瞳が産まれたとき” 葬式は湿っぽくならないようにしたい雅彦は、一馬にお笑いのネタをやってもらえばと提案すると、そこで初めて一馬がお笑い芸人を辞めて塾講師になったことを知らされる。芸人を辞めて定職に就けと言ったが、まさか本当に辞めるとは思っていなかった雅彦はちょっとバツが悪そう。 ひとりで抱え込んでしまうタイプの瞳に、助産院の杉村院長(小林)が「ひとりで抱え込まないで相談して」と優しく声をかける。その言葉で気持ちがいくぶんか楽になったようだ。 帰宅すると雅彦は風呂に入っていて、テーブルの上に「人生ノート」が置いてあった。瞳がノートを見ていると、雅彦が隠していた「忘れられない思い出」に記していた言葉が目に入ってきた。 「瞳が産まれたとき」。そう書かれているのを見て、瞳の目から涙があふれた。それと同時に、父・雅彦の愛情を改めて感じたに違いない。 とはいえ、それで全てがうまく進むわけではない。瞳は悩んで悩んで、迷って迷って「私は結婚しない」と雅彦に伝えた。まだまだたくさんの問題が目の前にある2人。残された時間の中で納得できる答えを見つけらることができるのか見守っていきたい。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部