始球式を務めた岡慎之助（左）と打席に立った杉野正尭（カメラ・清水　武）

　パリ五輪の体操男子で、団体、個人総合、種目別鉄棒を制し、日本勢５２年ぶりの３冠をなし遂げた岡慎之助と、同じく団体金メンバーの杉野正尭（ともに徳洲会）が２５日、東京ドームでの巨人―中日戦を前に始球式を行った。 　岡は投手を務め、ノーバンの好投。笑顔でガッツポーズし、「緊張やばい。普段やったことないことをしたので不安だった。練習もしてきた。（１００点中）９割くらいです」と自己評価した。一方、バッターを務めた杉野も「緊張した」と終了後も声が震えていた。 　ファンで埋め尽くされた東京ドームで堂々と大役をやり遂げた２人。経験のない大歓声を浴び、岡は「体操も野球のように、これくらい席が満席になってほしい。五輪で体操を好きになった人もいると思うので、ぜひ会場に足を運んでいただいて、もっと見てほしい」とアピール。杉野も「体操もこれぐらい人がいっぱい入って盛り上がるような、そういったスポーツになってほしい。僕たちが先陣切ってやっていかないといけないなと思う」と大きな刺激を受けた様子だった。 　次戦はともに９月７日の国民スポーツ大会（ＳＡＧＡアリーナ）を予定。岡は岡山県代表、杉野は福井県代表で出場し、がい旋試合ではいきなりの“対決”となる。岡は、床運動と金メダルを獲得した鉄棒の２種目で新技投入を宣言し、「注目してほしい」。杉野は、五輪と同じ演技構成で「体操の魅力を僕の演技で伝えていきたい」と意気込んだ。