トルコ航空企業で襲撃、少なくとも5人死亡
トルコの首都アンカラの郊外にある航空会社「トルコ航空宇宙産業」(TAI)で23日、襲撃があり、少なくとも5人が死亡、22人が負傷した。当局が明らかにした。 アリ・イェルリカヤ内相は、女性と男性の2人の襲撃者が「無効化」されたと発表。クルド人の反政府組織「クルド労働者党」(PKK)が襲撃に関わった可能性が高いとした。 さまざまな映像には、アンカラから約40キロメートルの場所にあるTAI本社の入り口付近で、少なくとも2人が銃を発砲している様子が映っている。 ジェヴデット・ユルマズ副大統領は、死者のうち4人はTAIの従業員で、もう1人はタクシー運転手だとした。 現地メディアは、襲撃者らがタクシー運転手を殺害して車を奪ったうえで、襲撃を実行したと報じた。また、従業員のシフト勤務が交代する時間帯に爆発があり、従業員らは避難場所へと誘導されたとした。 イェルリカヤ内相によると、負傷者22人には特殊部隊の隊員7人が含まれている。 襲撃への関与を主張するグループはまだない。 PKKはトルコ、アメリカ、イギリスでテロ組織に指定されている。トルコの少数民族クルド人の権利拡大を求め、1980年代からトルコ政府側と戦っている。 トルコ国防省はこの日遅く、イラク北部とシリア北部のクルド人反政府勢力の標的への空爆を開始したと発表した。 トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、新興国グループ「BRICS」の首脳会議のため訪れているロシアで、今回の襲撃を「卑劣なテロ攻撃」と非難した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との会談中に出たこの発言は、テレビで生中継された。 エルドアン氏はその後、ソーシャルメディア「X」で長文の声明を発表。治安部隊が迅速に動いて脅威を無効化したとし、「いかなるテロ組織も、私たちの安全を狙う邪悪な集団も、目標は達成できない」とした。 トルコ当局は、この襲撃の詳細に関する報道をメディアに禁止した。ユーチューブ、インスタグラム、フェイスブック、Xなどのソーシャルメディアは、国内の広い地域で利用できないと報告されている。 トルコのラジオ・テレビ最高評議会のエブベキル・シャヒン議長は、事件に関係するすべての画像がソーシャルメディアから削除されるべきだと警告。ユーザーに対し、「テロの目的達成に資する」画像を共有しないよう求めた。 TAIはトルコの航空宇宙産業における主要企業。商用と軍事用の航空機を設計、開発、製造している。 政府からは、アメリカが設計したF-16戦闘機の認可メーカーに指定されている。また、トルコ軍が使用している旧型航空機の近代化にも取り組んでいる。 同社の主要所有者は、トルコ軍と、防衛能力の向上と軍事調達の管理を担う政府系民間組織の二つ。 トルコの主要都市イスタンブールでは今週、防衛・航空宇宙産業の大規模な見本市が開かれている。 (英語記事 At least five dead in attack at Turkish aviation company)
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