「帰りたくない！」駄々をこねる子どもへの対処法

　子育て世代に寄り添うSNS投稿が注目を集めている教育評論家の親野智可等氏が、親から子どもへの声かけをテーマに執筆した書籍『ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける　親の言葉100』（グラフィック社刊）を発売した。親の「イライラ」から出る言葉、「つい」使ってしまう言葉をもとに、子どもへの“伝わり方”を解説した内容で、現役小学校教師時代から40年以上も親と向き合ってきた著者だから生まれた、言葉のメソッドが満載となっている。同書から、「帰りたくない！」という子どもへのよりよい対処法について解説したポイントを、一部抜粋・編集して紹介する。 【画像】「ぼくはダメな子なの？」と感じた親の言葉 ■「ママ帰るよ！「置いてくよ」より、「あと2回やったら帰ろう」 　友達の家や公園でいつまでも遊んでいる子に「帰るよ」と言って「イヤだ！まだ遊ぶ」となったとき。「そんなこと言うともう連れてこないよ！」「もうママ帰るからね」と言ってしまうことがあります。 　それで「うん」と言っても、子どもは納得したわけではなく置いていかれるのがイヤなだけで、気持ちは消化不良のままです。そんなときはそうだね、遊びたいよね」「じゃあ、あと2回遊んだら帰ろうか」と、子どもの希望を少しかなえてあげると、子どもも納得しやすくなります。 　時間がかかるようで、こっちのほうが早く帰れることもあります。 　あるいは帰るハードルをさげる方法もあります。「だんだん帰るよ」「そろそろ帰る準備しようか」などです。ハードルをさげることで、子どもは「それくらいなら」と聞き入れやすいです。それが心の準備となって「じゃあ、帰ろう」と言ったときにすんなり受け入れてくれることも多いです。 　このように、「帰りたくない！」という子に「もう知らない！ママ帰るよ！」と叱るより、お互い気持ちよく解決する方法があります。楽しい遊びのあとだから、お互いにイヤな気持ちになるより気持ちよく帰れたほうがいいですもんね。 　これも同じです。 ・「言うこと聞かないと置いてくよ！」 ・「もう連れてこないからね！」 ■親野智可等（おやのちから） 教育評論家。本名・杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について書籍・ネット・新聞・テレビなどで具体的に提案。最近では、子育て世代に寄り添ったSNS投稿が話題。「ハッとした」「泣けた」など、多くの支持を得ており、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。著書多数。人気マンガ『ドラゴン桜』（講談社）の指南役でもある。