母校の慶進高で上野さんがライブ 卒業する3年生へエール【宇部】
宇部市出身のシンガー・ソングライター、上野大樹さん(27)が27日、母校の慶進高(待水清信校長)でライブとトークを行った。グローバルコースの1~3年生203人が癒やしの歌声に聴き入るとともに、好きなことを追求しながら自分らしく生きる大切さを学んだ。 キャリア教育の一環として開催。卒業を控えた3年生に贈る企画でもあり、実行委員会(松原怜寛委員長、7人)が中心となって準備。昨年の宇部まつりに出演した上野さんに、同校でのライブを直接依頼するなど、実現に向けて動いてきた。 上野さんは、エモーショナルな声、共感できる歌詞がSNSやサブスクリプション(定額課金サービス)で若者の絶大な支持を集め、昨年メジャーデビュー。BSテレ東やフジテレビ系の深夜ドラマの主題歌に起用されるなど、人気が高まっている。 ライブは体育館で開かれ、ドラマの主題歌になった「ざわめき」で幕開け。「おぼせ」「新緑」「ラブソング」を歌い、生徒たちを喜ばせた。 トークは、軽音楽部の倉光菜々美さん(2年)の進行で展開。上野さんは高校時代を振り返り、サッカーに本気で打ち込んでいたが、けがと病気で競技を断念し、その後は目標を見失ったと明かした。「コロナ禍でもないのに、ずっとマスクをして学校で過ごし、誰ともしゃべらない生徒だった。だから、高校生の頃の記憶はあまりないが、兄のギターを手に取ったのが音楽を始めるきっかけになった」と話した。 楽曲制作について「心につらさを抱える人、人前できちんと振る舞えない人、でも自分の思いを心の奥にしっかりと持っている人の支えになるような歌を作っていきたい」と語った。卒業する3年生に向けて「人と比べず、やりたいことを究めて。いつも自分の好きな自分でいてほしい」とエールを送った。 実行委の松原委員長(3年)は「上野さんに高校でのライブを快諾していただき、貴重な思い出が増えた。県外に進学するので、これから頑張っていこうという力がもらえた」と話した。