台湾の総統選、投開票まで1カ月 最大野党・国民党は中部を重視
(台北中央社)台湾の総統選は来年1月13日の投開票まで、1カ月となった。政権奪還を狙う最大野党・国民党の公認総統候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長の陣営は、優勢とされる北部の票で地盤の弱い南部を補うとした上で、中部が決戦の地になると分析している。 複数の世論調査で、与党・民進党に次いで2番目の支持を獲得している国民党。関係者は今後、大規模集会の開催を通じて国民党籍の首長を持つ県や市のつながりを強化するとした。地域で支持される首長の影響力で政権交代を望む層の浮動票を集め、有権者の戦略的投票を促したいと述べた。 総統選では、総統と副総統がペアで立候補する。侯氏の関係者は、侯氏が中部や南部を、候氏とペアを組む副総統候補の趙少康(ちょうしょうこう)氏が北部を中心に選挙活動を行うと言及。選挙カーなどによる「陸上戦」とインターネットなどによる「空中戦」の両方を展開する考えを示した。 侯氏の関係者は、侯氏の陣営は中間層や若者での支持が比較的弱く、関連する公約を十分に打ち出せていないと吐露。引き続き支持獲得に取り組む他、趙氏が大学で講演し、若者と触れ合う機会をできる限り増やすとした。 総統選と併せて実施される立法委員(国会議員)選について同党関係者は、選挙区で35議席以上は安定して獲得できるとし、比例代表と合わせて少なくとも50議席は確保できるとの見方を示した。さらに接戦の選挙区や南部の台南や高雄で当選者が出れば、単独過半数の可能性も「ないわけではない」と述べた。立法院(国会)の議席数は113。 (劉冠廷、高華謙/編集:田中宏樹)