<高校野球速報>早実が、清宮の2試合連続本塁打で9年ぶり4強進出
第97回全国高校野球選手権大会の準々決勝が17日、甲子園で行われ、第一試合では、早実(西東京)が九州国際大付(福岡)を8-1で下した。注目の怪物1年生、清宮幸太郎は、4回に2試合連続ホームラン。左手親指を負傷しながらの驚愕アーチだった。「6番・二塁」の富田直希も、清宮に負けじと2打席連続ホームラン。投げては松本が完投。早実は、9年ぶりにベスト4進出を決めた。
開門は6時20分に早められた。 お盆明けの月曜日。試合開始時は、超満員ではなかったが、チケットを求める長蛇の列が続いた。 怪物・清宮は、その期待に驚愕のホームランで応えた。 快音と共に低い弾道を残した打球がライトスタンドへ消える。2-0で迎えた4回。先頭打者として打席にはいった清宮は、九州国際大付の右腕、野木が投じた初球をコンパクトに振った。130キロの変化しなかったツーシーム。どよめきと共にライナーで2試合連続となる2号が、ライトスタンドで跳ね返った。 実は、一回二死走者なしで迎えた第一打席では、止めたバットの根っこにインサイドのストレートが当たってピッチャーゴロに倒れていたが、その際、左手の親指の付け根を痛めてしまい、その治療のため2回の守備につくことが遅れていた。怪我を抱え万全ではなかったはずが、かって力みが消えたのか。 1年生の大会2ホーマーは、1983年にPL学園の桑田真澄が記録して以来。打点も「8」に伸ばして、これも桑田が作った1年生最多記録となる「8」に並んだ。 清宮のバットは止まらない。 7回には無死一塁から、代わった左の富山からまた初球。三塁の一塁悪送球で出塁した前の打席から逆方向を意識していて、この打席も外の甘めの135キロのストレートを引っ張らずに逆方向へ。高く上がった打球は、左中間のラバーフェンスと金網の境目くらいにぶつかった。あわや大会3本目となるツーベース。走者を進め、清宮も、この回ホームを踏み、またチームはリードを広げた。 東海大甲府との3回戦でホームランを放った際、阪神DCで評論家の掛布雅之氏は「スイングが変わった。大きなフォローが生まれ、右ひざの使い方がやわらかくなったので、バッティングに間が出てきた」と甲子園での成長を指摘していたが、清宮の成長、進化は留まることを知らなかった。 甲子園は人を育てる場所だが、清宮の進化は、どこまで続くのか。大会の最多本塁打記録は、清原和博が3年時の1985年に記録した5試合で5本 (春夏通算では13本)だが、決勝までいけば、あと2試合。甲子園で成長を続ける清宮ならば、ひょっとしてその記録に並んでしまうかもしれない。