肥満じゃなくても注意…じつは多くの日本人が「糖質疲労」に陥っているかもしれない
ランチの後、しばらくして「眠くなる」「だるくなる」。 こんな症状が出ている人に対して警鐘を鳴らすのは、北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長で『糖質疲労』(サンマーク出版)の著者、山田悟医師。山田さんは食後の血糖値の急変動に由来する体調不良を「糖質疲労」と名づけています。 【写真】医者が明かす「痛い死に方ランキング」ワースト50 まだ病気ではないものの、放置しておくと、いずれドミノ倒しのように糖尿病・肥満・高血圧症・脂質異常症に至る可能性があるといいます。本書から一部抜粋、再構成してお届けします。
糖質疲労は多様な顔をもつ
日本ではそもそも、バランスのよい食事と称して、糖質過多の食事が推奨されてきたこと、そして、慌ただしい日常においては、どうしても手軽な食事が選ばれやすく、糖質に偏ってしまうこと──「糖質偏重はしかたがない」とも言える環境にあるとも言えるでしょう。でも、糖質疲労が単なる疲労やパフォーマンスの低下にとどまらず、その先で様々な生活習慣病につながることも事実です。 ここからは、糖質疲労がもたらす病気のリスクについてもお伝えし、ご自身の意思で、糖質過多の現状の暮らしを見直すきっかけにしていただければと思います。 健康診断などで空腹時血糖値が110mg/dl以上となると、糖尿病や糖尿病予備軍と判断されます。しかし、その10年ほど前から、食後高血糖と血糖値スパイクは現れるとされます。私は食後高血糖と血糖値スパイクによって起きているであろう症状をまとめて「糖質疲労」と呼んでいます。 とはいえ、糖質疲労の感じ方は人によりけりで、眠気やだるさを訴える方もいれば、飢餓感で感じる方もいますし、集中力やパフォーマンスの低下という形で感じる方もいらっしゃいます。 そして、実は、現時点では自覚症状のない糖質疲労の方もいらっしゃいます。 私は糖質疲労を解消するために「食べ方を変えること」をご提案しています。「糖質をとる量を控え」「その分、たんぱく質と脂質をお腹いっぱい食べ」「食べる順番を意識する」という「ロカボ」と呼ばれる食べ方です。シンプルで食事に満足感がもてます。