京都U-18、2点差を跳ね返し3年ぶりのプレミア復帰に王手 日章学園は無念の敗退
京都U-18が2点差を跳ね返し、3年ぶりの復帰に王手をかけた。 12月8日、広島県内で高円宮杯U-18サッカーリーグ2023プレミアリーグプレーオフ(参入戦)の1回戦が行われ、東広島運動公園陸上競技場では京都サンガF.C. U-18(京都)が初参入を目指す日章学園(宮崎)と対戦した。 【フォトギャラリー】京都サンガF.C.U-18vs日章学園 試合は序盤から京都が主導権を掌握。ボールを支配し、FW兎澤玲大(3年)やFW吉田遥海(3年)を軸に攻め立てる。しかし、アタッキングサード以降の精度が上がらず、決定機を作り出せない。すると、10分を過ぎたあたりからビルドアップで苦戦し、相手のハイプレスをいなせない場面が散見。最前線のFW高岡伶颯(2年)のチェイスから高い位置でロストし、ショートカウンターからヒヤリとするシーンを何度か作られた。すると、21分に高岡のプレスからピンチを招く。ボールを失い、ピンチを迎えてしまう。最後はMF南創太(2年)にネットを揺らされリードを許した。ボールを支配しながら攻めあぐねると、31分には右サイドで受けた高岡にカットインされ、「得意な形」というミドルレンジから左足で決められてしまう。 前半だけで0-2とされ、苦しくなった京都は攻勢に転じるも流れを掴めない。しかし、43分に左クロスに飛び込んだMF住芳樹(3年)が頭で決めると、一気に流れが変わる。後半の立ち上がりからギアをさらに上げた京都はサイドアタックを軸に攻め立て、相手を自陣に釘付けに。後半開始から4バックを3バックに移行してきた日章学園の狙いを外し、両ウイングバックを押し下げてサイドで起点を作り出す。すると、54分だ。兎澤が右サイドから中に切れ込んでシュートを放つと、こぼれ球に主将・左SB飯田陸斗(3年/2024年度トップ昇格内定)が同点ゴールを奪う。完全に相手を飲み込むと、62分には右SB三宮稜大(3年)のクロスに途中出場のFW熊谷空大(3年)が合わせる。ヘディングで押し込み、ついに逆転に成功した。 あとは逃げ切るだけ――。京都は喜多壱也(3年)を軸に粘り強く守り、決定的なシュートを打たせない。しかし、76分にゴール前でFKを与えると、高岡が蹴ったボールをクリアしきれず、CB吉川昴我(2年)に押し込まれてしまう。 試合を振り出しに戻され、選手たちの顔からは焦りの色も見えた。それでも、選手たちは諦めず、猛攻を仕掛ける。その想いが最終盤に結実した。87分にゴール前でハンドからファウルを掴むと、FKの流れから最後は兎澤が右足を振り抜く。相手DFに当たったボールはゴールに吸い込まれ、壮絶な撃ち合いに終止符を打った。 昨年は参入プレーオフの2回戦で敗退。圧倒的に攻め込みながら、決定打を繰り出せずにスコアレスのままPK戦へ。旭川実に敗れ、1年でのトップディヴィジョン復帰は果たせなかった。去年の忘れ物を取りに返すまであと1勝。最終戦は総力戦で居るべき場所に戻る権利を掴みにいく。 (文・写真=松尾祐希)