日本男子球技界に実りの秋が到来!―パリ五輪を見据えて
スポーツ界に実りの秋が到来した。9月2日にバスケットボール、10月7日にバレーボール、そして10月28日にハンドボール。団体球技の日本男子代表が相次いで来年のパリ五輪出場権を獲得した。開催国枠で出た2021年東京五輪を除けば、自力での五輪出場はバスケが1976年モントリオール大会、バレーは2008年北京大会、ハンドは1988年ソウル大会以来と久々だった。低迷期を経験してきた各競技の躍進には共通点があり、今後の人気拡大にも期待。金銭的なバックアップも含め、新時代到来を予感させている。
■たくましさで歓喜
バスケットボールが先陣を切った。沖縄市などで開催されたワールドカップ(W杯)。米プロNBAの八村塁(レーカーズ)は不参加だったが、渡邊雄太(サンズ)が代表入りし、ホープの河村勇輝(横浜BC)らも活躍した。当初の劣勢の予想を覆し、1次リーグではフィンランドを倒してW杯で欧州勢から初勝利の快挙。順位決定リーグ最終戦でカボベルデに勝ち、今大会のアジア勢最上位を確定させて五輪出場権を得た。日本の団体球技で第1号のおまけ付きで、テレビの生中継も相まって列島を大いに沸かせた。トム・ホーバス監督は「長い間、毎日いろいろやって準備が大変。でも大きな試合に勝ってみんなの顔を見ると本当に最高です」と興奮を隠さなかった。 続いたのが、イタリア1部リーグでプレーするエースの石川祐希(ミラノ)らを擁したバレーボール。こちらは東京五輪で29年ぶりに8強入りし、今年は主要国際大会のネーションズリーグ3位、アジア選手権制覇と期待度は高めだった。五輪予選東京大会では、2戦目に格下のエジプトにセットカウント2-0からまさかの逆転負け。ただ、その後は尻上がりに調子を上げ、強豪のセルビア、スロベニアを立て続けに破って五輪切符を手にした。 最後がハンドボールだった。カタールで実施された五輪アジア予選で、日本は1次リーグからイランやバーレーン、クウェートなどに全勝。準決勝では宿敵の韓国を破り、決勝では再びバーレーンから勝利を収めて出場権をゲットした。かつては〝中東の笛〟と呼ばれ、中東勢に有利な判定が横行して、2008年北京五輪に向けてアジア予選がやり直しになる騒動もあった。今回、日本はその中東の地で堂々たる優勝でたくましさを披露した。