明日トリプル世界戦!“ネクストモンスター”中谷潤人が名指しで熱望する井上拓真との統一戦は実現するのか…田中恒成は「2団体王者マルティネスとやりたい」
そしてもう一人統一戦を目標に掲げているのが、ひとつ下の階級のWBO王者で、中谷と同じく今回がV1戦となる4階級制覇王者の田中だ。 「スーパーフライ級には強いチャンピオンがいるので内容にこだわって圧倒して勝ちたい」 4年前の大晦日に敗れ、統一戦舞台でのリベンジマッチを熱望していた井岡が七夕の夜にマルティネスとの統一戦で判定負け。田中に衝撃を与えた。だが、中日スポーツなどの報道によると、9日に名古屋の畑中ジムで行われた公開練習では「思うことは少なくない」と多くを語らなかった。 時間が経過した会見の場で改めて質問をぶつけてみた。 「とてもいい試合で(井岡の)熱い気持ちも感じた。同時にマルティネスの強さも感じた。井岡選手とは、一度戦っている。マルティネスは、ずっと戦いたかった選手。(公開練習時と)同じ言葉にはなるが、すべてを言葉にしないほうがいい。井岡選手への思いは(今)言葉にすべきではない。そこまでに留めておく」 複雑な気持ちは胸にしまいこんだ。 だが、次への“思い”は隠さない。 「2人(WBC世界同級王者のジェシー・ロドリゲスとマルティネス)共ターゲット。でも今現状で先にどちらを目指すかと言えば、気持ちとしてフェルナンド・マルティネス。ずっとやりたかった選手ですし、その思いが強い」 田中は、中谷が返上したWBO王座の決定戦への出場が決まる前には、マルティネスのIBF王座への挑戦を模索していたことがある。そのマルティネスが、リベンジ戦を求めていた井岡を破ったのだから第一ターゲットになるのも当然だろう。 そのマルティネスは、次戦の選択肢として“レジェンド”のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)にKO勝ちしてWBCの新王者となったジェシー“バム”ロドリゲス(米国)、田中、そして井岡との再戦の3つがあることを明言。「ファイトマネーの一番いい選手と戦う」と、現実的な条件を突きつけていた。 ただIBFの指名試合、WBAの暫定王者との統一戦が順繰りに待ち受けており、統一戦が決まれば、最優先される傾向にはあるが、マルティネスとのマッチメイクは簡単ではない。 そして元WBC世界スーパーバンタム級王者でもある畑中清詞会長が「マルティネスとバムとやっても面白いんじゃないかと思ってもらえるような試合内容でスカっと勝って欲しい」と話したが、統一戦の実現には、この28戦25勝(17KO)2敗1分けのキャリアを持ち3年前にアンカハスとの世界戦経験もあるジョナタン・ロドリゲス(メキシコ)戦でのアピールが不可欠だろう。 そのロドリゲスは「田中は素晴らしいチャンプなので、1ラウンドからプレッシャーをかけていく。衝撃的な打ち合いが好きだし、それをやっていく。フィジカル面では劣らない。ボクシングをするならボクシング。ファイターでくるならファイターで臨みたい」と、番狂わせを起こすことへの気合十分。 田中は6月に熱発で体調を崩したそうだが、もうコンディションは立て直した。 「今回は特にコンビネーション、手数を出すことを意識して練習してきた。(ロドリゲスは)力強いパンチをどんどん振ってくる。タフな選手とタフな試合を繰り広げてきた頑丈なボクサー。自分はチャンピオンだが、統一戦に向けての現在地は挑戦者。とてもやりがいがある」 統一王者を目指す2人の世界王者のV1戦に注目である。
【関連記事】
- “カリスマ”辰吉丈一郎は 東京ドームでネリを倒した井上尚弥の一体どこを「凄い」と思ったのか…ウシクに抜かれPFP1位から2位に陥落も変わらぬ評価
- なぜ井上尚弥はWBAの指名試合指令を「嫌がらせ」と感じたのか…「 ベルトにこだわりはない。剥奪でも返上でもぶっちゃっけどっちでもいい」
- 引退か再起か…歴史的激闘の末に2団体統一に失敗した井岡一翔に突き付けられた厳しい選択肢「人生の戦いはまだまだ終わらない」
- 「井上尚弥vs中谷潤人を大谷翔平とドッキングさせて ドジャースタジアムで実現できないか?」3人の元世界王者が米メディアでモンスターの“未来”について激論
- 「穴口選手の命を無駄にするな」事故検証委員会が報告した結論とは…再発防止の第一歩としてJBCとJPBAが合同で医事講習会を実施