金正恩氏は核を手放して体制温存できる道を模索?
交渉はどう進めるべきか?
仮に会談で両首脳が合意に至ったとしても「履行段階でさまざまな問題が生じることは間違いない」「何が起きるか分からないというのは私も結論としては同じ」と不透明さも予想する。 どのように交渉を進めるべきか。礒崎氏は、北朝鮮側の懸念として、トランプ大統領後の政権が合意をひっくり返す可能性を挙げ、それを払拭するために「北朝鮮が納得する体制維持のための複数の制度を設置できるか、これがキーかもしれない」と分析。核実験の中止や査察などをゆっくりと進めた場合は、過去の「失敗」の繰り返しになる恐れもあるとして、「とりあえずの合意としては、アメリカが求める『一括合意』に見える超短期的なスケジュールによる『段階的な合意』が現実的」と提案した。
日本はどう対応していくべきか?
日本の取るべき対応についても言及した。米朝会談の結果、北朝鮮が踏み込んだ譲歩で合意を引き出し、現体制が何十年も続く展開があり得ることについて、「日本でも議論した方がいいのではないか。北朝鮮体制の本質そのものが変わるわけではないのだから」。日本にとって大きな懸案である拉致問題については「北朝鮮が誠意を見せるのであれば、理不尽ではあっても、小さな見返りを考えるべき。拉致被害者の奪還を達成するために手段はより柔軟であるべきだ」と述べ、段階的な解決も選択肢に入れる必要性に触れた。