＜ライブレポート＞6周年を迎えたSIRUP、「もう2度とないよ。こんな最高な日」仲間とともに届けた特別な一夜【channel 03】
SIRUPが主催・企画するイベント【channel 03】の横浜公演が、12月6日に神奈川・KT Zepp Yokohamaで開催された。 今年デビュー6周年を迎えたSIRUP。2023年5月にはEP『BLUE BLUR』を引っ提げた全国ツアー【BLUE BLUR TOUR 2023】を開催、夏には国内の【FUJI ROCK FESTIVAL'23】、12月にはタイで開催された【BIG MOUNTAIN MUSIC FESTIVAL 13】への出演やさまざまな分野でのコラボなど、これまでに国内外問わず多方面に活躍を広げている。 “チャンネルが合う人たち（＝仲間やリスナー）が集まる場”をテーマに、2019年12月に第1回目が開催された本イベントは、2021年に第2回目となる【channel 02】がコロナ渦の影響により、無観客生配信ライブで行われ、今回の【channel 03】は約2年越しに有観客での開催が実現。12月6日に神奈川・KT Zepp Yokohama、12月15日に大阪・Zepp Nambaと全2公演が開催された。 横浜公演では、iri、Skaai、Shin Sakiura、BIM、台湾のR&Bシンガー“The Crane”、showmore、またオープニングDJとしてKMの6組がゲストで出演。そして、大阪公演のゲストには、SIRUPと普段から親交の深いTENDRE、2019年に「STAY」でコラボしたWILYWNKA、SIRUPも所属するアーティスト・コレクティブの“Soulflex”、「Keep In Touch」でも共演している韓国の“SUMIN”、オープニングDJとして「Mirror」でコラボしたYonYonの5組と、各公演スペシャルなメンバーが集結。盛大なパーティーとなった2日間から、本稿では12月6日に行われた横浜公演の模様をお届けする。 チケットがソールドアウトとなった横浜公演。会場には、イベントのオリジナルグッズを身に付けたオーディエンスも散見され、心待ちにしている多くのファンが集っていた。開場後のオープニングDJは、EP『BLUE BLUR』にも収録の「See You Again」を手がけたKM。最高の選曲で心地良い音楽をたっぷりと1時間届け、開演前から会場を大いにあたためた。定刻を迎え暗転すると、スクリーンにイベントタイトル【channel 03】のネオンが光り出し、ステージ上でスタンバイしていたバンドメンバーのRaB（Dr.）、井上惇志（Key.）、Funky（Ba.）、HISA（Gtr.）、KenT（Sax/Fl/Synth）がパワフルにセッション。会場全体の高揚感をグイグイと一気に引き上げるバンドサウンドのなか、「【channel 03】！ 祭りだ～！」とSIRUPが笑顔で登場すると、そのまま「スピード上げて」でスタート。楽曲に合わせたライブ演出や、客席を見渡しながらまっすぐに歌を届けるSIRUPの姿は、一瞬にしてオーディエンスの心を魅了した。 「始まったぞ、お待たせ～！ 大忘年会っ！」の掛け声とともに、すかさずウィスキーブランドJAMESONとのコラボ曲「Superpower」へ。ミラーボールが回るなか、SIRUPはマイクを手にステージを左右に使いパフォーマンス。音源より少し短めなライブver.で披露すると、KenTのSaxを皮切りにライブアレンジの効いた「Pool」「Maybe」とMCを挟まずノンストップで披露。続けて披露された「Need You Bad」では途中、井上が弾く鍵盤にのせSIRUPが歌うシーンも。体を踊らせるキラーチューンの連発に会場の熱気はうなぎのぼり。観客は手をあげ会場は一体になり、早くも楽しさが溢れ出ているグッドバイブスが会場を包み込む。 その他の画像 MCでは、少し息切れ気味に「みんなに楽しんでもらうために詰め込みすぎた（笑）」「もう2度とないよ。こんな最高な日！」とSIRUPが笑顔で伝え「さっそく速攻ゲストいきましょう、Shin Sakiura～！」の合図で、オーストラリアのCosmo's Midnightとのコラボ曲「Breakthrough」のイントロを弾きながら“Shin Sakiura”が登場。同曲のパフォーマンスを終えると、2人のこれまでのエピソードトークが展開され、最初に一緒に制作した曲「Cruisin’」のrework バージョンを披露。笑顔で肩を組みながらパフォーマンスしたり普段と違う演奏スタイルに「めっちゃ楽しい！」「デュオみたいな気分」とお互い楽しさをこぼした。そして、Shin Sakiuraはアルバム『Inner Division』のリリースや人生初めてのツアーなど2023年を振り返るシーンも。最後は「I won’t be」をお互い向かい合いながらパフォーマンスし、信頼で結ばれた2人の関係性を垣間見せた。 「みんなゲスト来てくれてまじで感謝！」とSIRUPが改めて感謝を口にすると、KenTのメロウなSaxからアンセム的ナンバー「LOOP」へ。シンガロングも沸き起こり、会場はハートウォーミングな空気感に。その後すぐスクリーンに“Slow Dance”のロゴが映しだされ、同曲をSIRUPが歌い出すと、ステージ袖からサウンドにノリながら、この日2人目のゲスト“BIM”が登場。歌詞に登場するロレックスの時計を身につけてたことやユーモアな人柄溢れるトークで会場を盛り上げステージを後にした。 「一旦今日を思いっきり楽しみたくないですか？ いらんこと気にしてたらもったいなくないですか？」と投げかけると、その流れから「もったいない」へ。自分のありのままを肯定する歌詞の途中で、＜もう好きな髪型させて、だまっとけ～～～＞とアレンジし「ふざけすぎた（笑）」「もったいないことした（笑）」とお茶目なところも。終始バンドメンバーもSIRUPも楽しんでいる様子が印象的で、良い意味でリラックスしたステージングは曲を終えるごとに歓声混じりの拍手が沸き起こった。「みんな一旦夏を取り戻そ！ 暑くなってきたな！」の声から続けてサマーチューン「umi tsuki」をドロップ。今年同曲で初コラボをした“iri”が歌いながら登場すると、会場のボルテージはさらに上昇。2人で肩を組みながらステージを左右に使いパフォーマンスする姿は、仲の良さが伝わってきた。iriはこの日が2023年最後のライブで、2024年3月13日には日本武道館でのライブを予定しているとのこと。SIRUPはゲストが登場するたびにセンターがズレることを自身で突っ込むと「今年リリースしたEP『BLUE BLUR』の中の曲、もう何回もやってますけどぶちあげていこうぜ！」と紹介し「FINE LINE」のイントロとともにテンション高めな“Skaai”が登場。最高の煽りで会場はクラブ化し、会場の熱気は最高潮。「2023年をここに持ってきたんで」とSkaaiが口にするとコールアンドレスポンスで再び盛り上げステージを後にした。 「さらに、もう1人のゲスト山田丈造！」と「BE THE GROOVE」とともにサプライズゲストで“山田丈造”（Tp.）が登場。ゲストが登場するたびにパワーアップしているようなSIRUPと各メンバーのソロも抜群で、＜Right side Left side＞のフレーズでは歌詞に合わせてオーディエンスが左右に手をふるお馴染みのシーンも楽しい。続けて「No Stress」を披露し、井上に「あっちゃんどうよ、showmoreツアーやってるんだよね。忙しいのにきてくれたってよ！」とSIRUPが口にすると“根津まなみ” （showmore）が「now」のイントロとともに登場。唯一無二の伸びやかな2人の歌声は会場中を魅了していった。 「【channel】史上はじまって以来、海外から......The Craneがきてくれてますよ！」と台湾から“The Crane”が登場し、10月にリリースされた「UMAMI」へ。演奏を終えるとすかさず「ヤバい、ヤバい、ヤバいね！」とThe Craneが日本語で嬉しそうにコメント。そしてThe Craneのオリジナル曲「不介意」を披露すると、SIRUPと喜びを分かち合いハグ。先日東京に行ったというThe Craneは、「UMAMI」のジャケ写にも写っている餃子モチーフのポーチに小さい餃子が入っている“餃子 in セクシー餃子”をSIRUPにプレゼントしステージを後にした。 イベント終盤。この日別のライブ会場で最新曲「2MANYTIMES」でコラボした“CODY JON”がライブを行っていて絶対にクロスできないことをSIRUPが口にすると「できなくてもやる、それが俺だ！」と続けて「2MANYTIMES」を披露。直接のコラボレーションは難しかったが、スクリーンに自撮り風のCODY JONが歌う映像が流れ、どんな状況でも歩みを進め続ける大切さを歌にのせて観客へ届けた。ここから撮影OKタイムに突入し「いつまでも一緒にこのグルーヴの海を泳いでいきたいと思います！」と「SWIM」をドロップ。自然とクラップが沸き起こり、この日1番のロングトーンを魅せ、会場を沸かせた。どこかアットホームで和気藹々とした“お祭り”は、早くもラストの曲へ。「また会おうな、まじでありがとう！」と「See You Again」を笑顔で歌い上げ会場をひとつにした。 アンコールでは、グッズを身に纏ったSIRUPとバンドメンバー、山田丈造が再び登場し「LMN」を披露。SIRUPはこの日を振り返り、ゲスト、バンドメンバー、チーム、そしてオーディエンス全員に感謝を伝えると、それに応えるように大きな温かい拍手が沸き起こった。そしてミラーボールが回るなかダンスチューン「Do well」を最後にパフォーマンス。大盛況のなか「みんなありがとう！」「また来年！」と約2時間におよぶイベントを締め括った。終演後、スクリーンにはSIRUPから“音楽やライブを当たり前に楽しめる世の中であるように”という想いが込められたメッセージが映し出され、最後の最後まで人柄が全面に出ていた演出にハッとさせられた。こんなに豪華なメンバーが集まることはないと本人も口にしていたが、本当にスペシャルな一日で、SIRUPの人柄と周りのアーティスト全てが音楽愛に溢れ、素晴らしいイベントだった。 また、12月6日の横浜公演の模様は、U-NEXTにて1月7日まで見放題独占ライブ配信が実施されているので是非チェックを。 Text：Rumi Miyamoto Photo：Leo Iizuka Stylist（SIRUP）/ Styling Direction（Band）：TEPPEI Stylist（Band）：Keisuke Morita Hair：TAKAI ［Live Scenography］ Creative & Art Director：Masaki Watanabe（maxilla） Director：AVO（maxilla）, Kazuya Futagoishi（maxilla） Graphic Designer：Daisuke Suzuki Project Manager：Moe Niitsu（maxilla） CG Producer：Takemi Inagaki CG Artist：Ai Ikeda , Shosei Iwata, Motoumi Matsukawa ◎セットリスト 【channel 03】 2023年12月6日（水）神奈川・KT Zepp Yokohama 1. INTRO 2. スピード上げて 3. Superpower 4. Pool 5. Maybe 6. Need You Bad 7. Breakthrough with Shin Sakiura 8. Cruisin’ rework with Shin Sakiura 9. I won’t be with Shin Sakiura 10. LOOP 11. Slow Dance feat. BIM 12. もったいない 13. umi tsuki feat. iri 14. FINE LINE feat. Skaai 15. BE THE GROOVE 16. No Stress 17. now 18. UMAMI with The Crane 19. 不介意（The Crane オリジナル曲） 20. 2MANYTIMES with Cody Jon 21. SWIM 22. See You Again -En En1. LMN En2. Do well ＜プレイリスト＞
