（写真：東奥日報社）

　青森地方最低賃金審議会（会長・石岡隆司弁護士）は16日、本年度の青森県の産業別最低賃金（4業種）について、それぞれ35～53円引き上げることを青森労働局の井嶋俊幸局長に答申した。鉄鋼業は53円引き上げられて時給1045円となり、青森県の産業別最低賃金として初めて千円の大台を超えた。今月31日までの異議申し出期間を経て、12月21日に発効する見通し。 　答申に基づくと、鉄鋼業の適用労働者数は1476人。53円の引き上げ幅は過去最大で、前年度の最低賃金と比較した引き上げ率は5.34％だった。 　ほかの業種では、電気機械器具等製造業が前年度比41円高の968円（適用労働者数7967人）、各種商品小売業が同35円高の956円（同2124人）、自動車小売業が同40円高の963円（同4908人）。それぞれ各事業所の企業内最低賃金などを基に労使間で金額審議を行い、9月下旬から10月上旬にかけて全会一致で決定した。 　業種にかかわらず県内全ての労働者に適用される地域別最低賃金は今月5日から、同55円高の953円に改定された。 　石岡会長は「地域別最低賃金が大きく引き上げられたことで、産業別も追随するように全業種で上昇した。鉄鋼業は賃上げのリーダー的立場にあり、初の千円超えは一つの節目と感じる」と語った。