マッチングアプリの原型!? デジタル系の出会いグッズ【山下メロの平成レトロ遺産:024】
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。近年はマッチングアプリを使って男女が出会うことも普通になってきましたが、平成初期にも雑誌の文通コーナーやダイヤルQ2、ベル友にパソコン通信など、遠距離でも出会えるサービスがありました。 【写真】今週のレトロ遺産! そんな中、1998年に発売されたのが「ラブゲティ」です。こちらは独自の無線通信機能を搭載する近距離での出会いに特化した小型ガジェット。男性用と女性用の2種類があり、それぞれが接近すると光ってお知らせしてくれる画期的なアイテムでした。 使い方は簡単で、電源を入れたら「おはなし」「カラオケ」「get2」という〝希望する行動〟を選び、街に出て待つだけ。ラブゲティを持っている人が通信範囲内にいて、希望する行動が同じなら本体のGETランプが光ってお知らせします。 あとは周囲からラブゲティを手に持つ人を探すだけでOK。ナンパをする勇気がない人でも、話しかけるキッカケとして使えるアイテムでした。 出会いを希望する人同士が、ガジェットの無線通信機能を利用するというコンセプトは、現在のマッチングアプリと同じなのです。 今ではブルートゥースなどで当たり前となっている近距離無線通信をいち早く実現し、新しい出会いの形を標榜したラブゲティは話題となり、出荷台数でギネスブックに載るほど。 そして、『ラブゲッティ完全マニュアル』が出版され、iモードのサイトと連携できるガラケー版モデル「ナビゲティ」も発売されるなど、新しい出会いカルチャーとして広がっていったのです。 こういった近距離通信を活用した平成文化としては、ニンテンドーDSの「すれちがい通信」があります。『ドラクエ9』で秋葉原ヨドバシ前の 〝ルイーダの酒場〟に座って「まさゆきの地図」をゲットした人もいるのではないでしょうか。 こちらは子供の利用者も多く、ラブゲティのようにリアルタイムで出会いを知らせる機能はありませんでした。しかし、ある意味でラブゲティのコンセプトをエンタメとして昇華させた機能だったのかもしれませんね。 撮影/榊 智朗