高齢者のごみ出し、広島市が無償代行します 要介護認定の65歳以上世帯対象 今秋にも開始、定期的な声かけも
広島市は今秋にも、ごみ出しが困難なお年寄りの自宅を職員が訪問して作業を無償で代行する「ふれあい収集」を始める。高齢者が増えたため、地域の助け合いでは限界を迎えるとみて新たな支援策を取り入れる。定期的な声かけも兼ね、異変があれば親族たちに連絡する。 要介護の認定を受けている65歳以上だけの世帯が対象。市内7カ所の環境事業所の職員が平日の日中に週1回訪ね、玄関先に出されたごみを収集する。家の外にごみを出せない場合は親族たちと相談して家の中まで入るケースも想定している。 原則、希望者は地元の環境事業所に利用を申し込む。面談と自宅訪問を経て実施を判断する。市は初年度の利用者数を約1300世帯と見込む。専用の収集車7台の購入など経費2千万円を市議会で審議中の2024年度一般会計当初予算案に計上している。 市の人口に占める65歳以上の割合は23年3月末時点で26・1%と、13年と比べて4・7ポイント増。市によると、認知機能の低下などで地域の集積場までごみを運べなかったり分別ができなくなったりする高齢者が増えているという。通常のごみ収集時に、許可業者も運搬などに協力しているが、「件数が増えて負担」との声が上がっていた。 県内では呉市や三次市など8市が既に代行サービスを導入している。広島市環境局業務第一課は「分別も含めてごみ出しが困難な高齢者が、可能な限り住み慣れた地域で暮らせる環境を整えたい」としている。
中国新聞社