白扇＝米子市皆生温泉３丁目

　民事再生手続き中の米子市・皆生温泉の旅館「白扇」（皆生温泉３丁目）を巡り資産譲渡により再建を進める合意について、債務者の白扇と最大債権者の米子信用金庫（米子市東福原２丁目）、譲渡先となるリロバケーションズ（東京都新宿区）が１１日、米子市内で記者会見し、正式に発表した。足並みをそろえ、旅館の再生、温泉街全体の発展に取り組むと強調した。 【写真】再建の進め方について合意し、記者会見で握手する白扇の島原道範社長ら

　白扇の民事再生手続きは昨年４月の申し立て後、白扇、米信の双方から鳥取地裁米子支部に再生計画案が提出され、調整が付かないまま長期化。今月２２日に控える２度目の債権者集会を前に、関係者間で協議し合意にこぎ着けた。 　合意は、全国でホテル運営を手がけるリロバケーションズに旅館不動産を売却して事業譲渡する、米信案に沿う内容。白扇側の要望で、再生に向けた措置として従業員の継続雇用、旅館「湯喜望　白扇」の屋号継続、食品納入などの関係業者の取引継続といった４項目が盛り込まれた。 　合意により再生手続きの廃止や破産移行、従業員の解雇などの事態は回避される見通し。記者会見で米信の青砥隆志理事長は「魅力ある新生白扇の実現は、温泉旅館街のブランド力を上げることになる。信用金庫としても最大限の努力をしたい」と話した。