追悼式に韓国不参加で波紋

「佐渡島の金山」の朝鮮半島出身者を含む労働者のための追悼式が24日、佐渡市で開かれました。韓国関係者が急きょ出席を取りやめたのは、生稲晃子外務政務官が「過去、靖国神社を参拝していた」との一部報道を問題視したためとみられていますが、生稲政務官は取材に対し「参拝はしていない」と答えました。 【動画】【佐渡島の金山】追悼式に韓国不参加で波紋、生稲政務官「靖国参拝していない」【新潟】 日本側が開いた24日の追悼式。会場には韓国側の席も用意されましたが、関係者の姿はありませんでした。日本側は外務省の生稲政務官をはじめ、花角知事や佐渡市の渡辺市長ら約70人が出席し、金山に関わった人たちへの感謝と哀悼の意を表しました。 ■生稲晃子外務政務官 「朝鮮半島から来られた労働者の方々は、戦争という特殊な社会状況下とはいえ坑内の危険で過酷な労働に従事されました。先人たちのご労苦に心から敬意を表すとともに、亡くなられたすべての方々に改めて深い哀悼の意を表したい。」 「佐渡島の金山」の世界遺産登録を巡っては、韓国側が同意の条件として戦時中に佐渡金山で働いていた朝鮮半島出身者の追悼行事を毎年、佐渡市で開くことなどを求めていました。日本と韓国の間で追悼式の調整が進められていましたが、韓国側が直前に不参加を表明。生稲政務官が「過去、靖国神社を参拝していた」との一部報道を問題視したとみられています。 追悼式の前に、佐渡金山を視察した生稲政務官。報道陣の取材に応じ、靖国神社の参拝について答えました。 ■生稲晃子外務政務官 「私は、参議院就任後は靖国には一度も参拝しておりません。（Q.一度も？）はい。（Q.事実ではない？）はい。」 「日韓で丁寧な意思疎通も行ってまいりました。ですから、本日韓国側が出席しないとすれば残念です。」 日本側は、韓国側に靖国参拝の一部報道は「事実誤認」と伝えたということですが、地元関係者には戸惑いが広がりました。 ■佐渡を世界遺産にする会 中野洸会長 「そういった理由で来られないということは、(韓国側に)出席して頂きたかった。したがって残念という思い。」 ■佐渡市 渡辺竜五市長 「我々としては、しっかり出席いただけるように準備してきたわけですので、どこでどういうお話があったのか政府の中で外交の問題なのでしっかり話をしていただきたい。」 一方、韓国側は25日に独自の追悼行事を開きました。 場所は、佐渡市にある朝鮮人労働者の宿舎だった「第四相愛寮」跡地。日本側の追悼式に参加予定だった朴喆熙駐日大使と遺族9人が姿を見せ、追悼の言葉を述べました。世界遺産登録後も尾を引く、日韓の歴史認識を巡る問題。事態の収拾に向けた動きが期待されます。