“レジェンドレフェリー”西村雄一審判員が勇退 最も印象に残っている試合は2011年のチャリティーマッチ「全ての人が喜ぶゴール」
今季限りでトップリーグ担当審判員から勇退する元国際審判員の西村雄一氏(52)が19日、都内で、取材に応じ「審判活動を続けることが、僕の人生を本当に豊かにしてくれた」と振り返った。 14年W杯ブラジル大会では日本人として初めて開幕戦(ブラジル-クロアチア)で笛を吹いたほか、Jリーグで通算682試合を担当。そんな日本の“レジェンドレフェリー”にとって一番印象に残っている試合は、2011年3月29日に開催された、Jリーグ選抜と当時の日本代表による東日本大震災復興支援チャリティーマッチだという。 【写真】これまでの思いを語った西村審判員 日本人の西村審判員は当然、国際試合で日本代表の試合を担当できない。そのため唯一、日本代表の真剣なプレーを間近で見られた瞬間だった。さらに同試合では後半37分、前線に入ったロングボールから“カズ”ことFW三浦知良が抜け出してゴール右へシュートを沈め、カズダンスを踊った。 「全ての人が喜ぶゴール。あのゴールだけは誰もが喜んだゴールだった。その瞬間は僕の人生の中でもたった一度しかありませんでした。あの瞬間をピッチ上で味わうことが出来たのは忘れることのできない、そんな一試合になっています」 来年から日本サッカー協会審判マネジャーに就任し、2級審判員としても活動を続けるという。「審判員を支え、サッカーの発展に貢献する。そして、審判活動を多くの方々と共有することで社会に貢献する。この2つの目標を達成するために最善を尽くしたい」と力強く語った。