MVP級の成績もジャッジと大谷翔平の“陰”に…若き遊撃手の現状にド軍戦士も無念「本当にタイミングが悪いとしか言えない」
メジャーデビューから3年。米球界のサラブレッドは“覚醒”を遂げている。9年ぶりのポストシーズン進出に向け、快進撃を続けるロイヤルズのボビー・ウィットJr.だ。 【動画】ついに前人未到の領域に!大谷翔平が43号本塁打で「43‐43」達成のシーン MLB通算142勝を挙げたボビー・ウィットを父に持つ24歳は、今季開幕前の2月にロイヤルズと球団史上最高額11年430億円という巨額契約を締結。その活躍に大きな注目が集まっていたわけだが、ここまでは期待以上の働きを見せていると言っていい。 現地時間9月1日時点で117試合に出場して、打率.340、30本塁打、97打点、長打率.615、OPS1.007と軒並みキャリアハイの数字を記録。昨季にアメリカン・リーグ中地区最下位に沈んだロイヤルズを2位に押し上げる原動力となっている。 目に見える数字を残しているウィットJr.。必然的にリーグMVPにも挙げられるわけだが、米球界でのビッグマーケットにおける話題性はどうにも乏しい。レギュラーシーズンが佳境を迎え、個人タイトルの行方もクローズアップされる現地メディアですら、60本塁打到達が注目されるアーロン・ジャッジ(ヤンキース)や、リーグは違うが史上初の「50本塁打・50盗塁」に迫る大谷翔平(ドジャース)が話題を独占している印象が強い。 それは現役選手たちも強く認識している。現地時間8月31日にドジャースのムーキー・ベッツがホストを務めるポッドキャスト番組『B/R Walk-Off』にゲスト出演したジャック・フラハティは、「ジャッジとショウヘイがあれだけ活躍しているからね。彼らのせいでボビー(・ウィットJr.)について話すことができないでいる」と持論を語った。 「彼は間違いなく特別な1年を過ごしている。でも、ジャッジとオオタニが揃って活躍しているからタイミングが悪かったと思うよ。本当に厳しい話さ」 この意見にはホストのベッツも同調している。 「誰もがウィットJr.について話しているように見えて、ちゃんと話していないよ。彼の今シーズンはマジで凄いと思う。ただ、ショウヘイとジャッジの歴史的シーズンと同時期に重なってしまったことは、本当にタイミングが悪いとしか言いようがない」 もっとも、当のウィットJr.もジャッジと大谷の“異能さ”は素直に認めている。MLB公式のYouTubeチャンネルの取材に応じた際には「ジャッジがやっていることは本当に特別なことだ。毎晩毎晩、彼がやっていることを見ているだけで納得できる。もちろんショウヘイ・オオタニもそう。それは僕の明白な答えだ」と語った。 こうした謙虚さも若きスーパースターの魅力だと言えよう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]