ブリヂストン「233 HF」アイアン。どんな状況でも安心して打てる【ヘッドデータは嘘つかない!】
多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はブリヂストンゴルフの「233 HF」アイアン。クラブ選びの参考にどうぞ!
新技術搭載の鍛造複合アイアン
ブリヂストンゴルフの中空アイアン『233 HF』を紹介する。ヘッド内部に2種類のポリマーを充填することで打感と軽量化を追求。サスペンションコアで高反発エリアの拡大を図り、さらに新たなフェースデザイン(フェース裏側のディンプル数を増加)で、薄肉エリアを拡大させ、飛距離性能を向上させた。 計測は7番のヘッドとクラブ(シャフトは『VANQUISH BS50i・フレックスS』仕様)で実施し、数値はすべて実測値となる。クラブ長さが37.25インチとやや長いが、クラブ重量は367.7gと非常に軽いので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが262万g・cm2に抑えられている。この数値であれば、本来はドライバーのヘッドスピードが39m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計と言える。 ヘッドを見ると、フェース面は長く、ソールの幅も広いので、いかにも打ちやすそうな安心感がある。フェースプログレッション(FP値)は2.8ミリとややグースネックで、球をつかまえるイメージが出ている。丸みのあるリーディングエッジとストレート系のトップラインで、シャープなイメージもある。
ユーティリティ的なアイアン
実際に試打したが、まずフェース高が低めのシャローフェースで、実際よりもフェースの長さを感じる。また、アドレス時にロフトが少なく見えて、以前の5番アイアンを構えているようなイメージだ。ソールの幅が広く、アドレスでヘッドの背面が見えるため、ユーティリティ的感覚がある。 試打シャフトは軟らかめなので、ヘッドスピードが37~38m/sくらいのゴルファーなら、このシャフトで十分だろう。フェース面は軟鉄よりも硬い素材なので打感も硬く、やや“パチンという感じ”が出ている。とはいえ、フェース面の弾き感が良く、内部のポリマー(樹脂)によって、インパクト音はやや抑えられているのも特筆すべき点だ。 フェース面のスイートスポット(SS)位置は、フェース中央よりも少しヒール寄り(重心距離は40.0ミリとやや長い)なので、球がフェースのトウ側に当たりやすい人よりも、ダウンスウィングで球をヒール側に引き付けて打てるフェード系プレーヤーに合っているだろう。 シャローフェースで、フェアウェイから打ちやすそうなイメージがあり、SS高さも22.3ミリと高いので、ティーアップしたショットで芯に当たりやすい感じがある。①リアルロフト角が28.0度のストロングロフト、②弾き感のあるフェース、③やや少なめのバックスピンで、アイアンをユーティリティ的に使いたいゴルファーにオススメしたい。
これが「233 HF」の計測データだ
フェース高が低いシャローフェースで、実際よりもフェースの長さを感じられる形状。ややグースネックで球をつかまえるイメージがあり、安心して構えられる。 ストロングロフトなので、アドレス時にロフトが少なく見える。反面、シャローフェースなので、フェアウェイから打ちやすそうなイメージもある。 フェースが長いので、重心距離も長くなっているが、フェース中央よりも少しヒール寄りにSS位置があるので、フェード系プレーヤーに合っている。 ※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
週刊ゴルフダイジェスト
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