出版社からは「NO」 大ヒット映画『永遠の0』の隠れた苦悩
それに加え、仲間内から「腰ぬけ」と言われ、死ぬことを恐れていた“海軍一の臆病者”である祖父・宮部久蔵が、なぜ特攻で死んだのかということに疑問を持った、佐伯健太郎(三浦春馬)がそれを調べ進めていくうちに、長く封印されていた事実が明らかになっていくという、ある種のミステリー仕立ての展開が、観る者を作品へとグイグイ引き付ける。上映時間144分という長尺にも関わらず、長さを感じさせない。 ■圧巻の戦闘シーン さらに、大ヒットの要素として欠かせないのが、圧巻の戦闘シーンだ。「ALWAYS 三丁目の夕日」で懐かしい東京の情景を見事に再現した、山崎貴監督お得意のVFX(Visual Effects)で、迫力ある空中戦を展開。空母の一部や1/1スケールの零戦、そして空撮などは実写にこだわり、CGとの使い分けによって、臨場感あふれる映像美で観客の度肝を抜いている。 奇しくも、「強い国づくり」を目指す安倍内閣の支持率が回復傾向の中、「右傾エンタメ」とも揶揄される同作品だが、興行収入100億円突破を目指して、快進撃はまだまだ続きそうである。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)