寅子は「まぁいっか」で諦めない 朝ドラ「虎に翼」伊藤沙莉が前半総集編を前に語る人物像
NHK連続テレビ小説「虎に翼」は放送開始から折り返しの3カ月が過ぎ、4月1日~6月28日放送分のストーリーをまとめた「総集編・前編」が7月6日(土)に放送される。伊藤沙莉演じる主人公・佐田寅子(ともこ)は、数々の苦難から弁護士の道を断念するも、戦後になって法曹界に復帰。民法改正と家庭裁判所設立準備に尽力し、評価を得て念願の裁判官としての一歩を踏み出した。判事補兼最高裁家庭局事務官となった第12週(6月17~21日)から14週(7月1~5日)は、寅子にとって充実した日々でありながら、つらい出来事も重なった。演じる伊藤はどのように感じていたのか。各シーンへの思いや撮影での出来事を語った。 【場面カットで振り返る】「モン・パパ」を歌うシーンはみんなの顔を見て「ぐっときた」 ■よねさんを諦めきれない ――判事補兼最高裁家庭局事務官としての歩みがスタートして早々に、山田よね(土居志央梨)や轟太一(戸塚純貴)と再会した 「寅子としては、2人と再会できてすごくうれしかったです。それと同時に、失った信頼をどう取り戻していくかという試練もあって。やっぱり彼女は、何においても法を学んだ明律大学女子部の存在が軸にありますし、特によねさんは一番の戦友でしたので。だから、来るなと言われても何度も会いに行くんですよね。演じている私ですら『もうやめたら!?』と思うくらい。よねさんは彼女の中で大きな存在ですし、どこかでつながっていると信じているから、寅子は諦めきれないんですよね」 ――第12週で印象深かったシーンは 「戦争孤児たちがたたずんでいる道を歩くシーンはよく覚えています。道男(和田庵)を探している場面だったので止まらずに歩かなければいけなかったのですが、子供たちがどんな思いでそこにいるんだろうと考えたら、立ち止まらずにはいられなくて。寅子ではなく私個人として、通り過ぎることが冷たいと感じてしまったんですよね。でもそれは表面上の優しさで、私自身の甘さだなって。もしこれが現実の世界だったら、立ち止まって何かするよりも、もっと広い視野でこの子たちを助ける解決方法を探らなきゃいけないと思うので。撮影中はそんなことを考えながら、もがいていました」 ■感じた花江のありがたみ