主将で甲子園届かず…現地観戦で身にしみた“欠如” 古豪復活へ掲げる「究極の目的」
昨秋都大会4強…日大二・齊藤寛文監督「目標は語ることによって現実になる」
29歳の青年監督は、さまざまなチームスローガンを掲げながら、選手たちを鼓舞している。春夏6回の甲子園出場を誇る日大二の齊藤寛文監督は、就任1年目となる昨秋の東京都大会では33年ぶりとなる4強進出を果たした。強豪ひしめく西東京で、確かな爪痕を残している。指揮官に、言葉に込めた真意を聞いた。 【実際の動画】“自主創造”で切り開く…効率と勝利の「両立」へ 古豪・日大二高の練習の様子 齊藤監督は中学時代にリトルシニアの全日本代表チーム主将を務め、世界一を経験。日大二では、2012年夏に主将として西東京大会ベスト8まで進出した。現在は母校の指揮官として、ユニークなチームスローガンを掲げることで、「やればできる」というポジティブ思考を、選手たちに脳に植え付けている。 まずは部訓でもある「N.を描く」。ユニホームの左胸に刻まれた日大二のイニシャル「N」の伝統を継承し、成長曲線を描いていくという意味が込められている。 「Nは上がって下がって、また上がっていくじゃないですか。試合も人生も、うまく行く時もあれば落ちる時もある。落ちるところからどう立て直すかが大事。挨拶の時も左胸を触って、言葉と動作と表情でメンタルを引っ張るということです」 次に「春夏秋冬日本一」。高校野球の日本一を決める大会といえば、春夏の甲子園や、秋の明治神宮大会が一般的。冬は12月1日から3月上旬まで対外試合禁止のため、通常であれば体力強化の期間となる。しかし日大二は、今年2月に行われた1チーム男女5人でプレーする手打ち野球「Baseball5」(ベースボール5)の日本選手権ユースの部に、中京大中京(愛知)女子野球部と合同チームで出場。ベスト4入りと健闘した。 「ウチはベースボール5も入れて『春夏秋冬日本一』にしようぜ、と。目標は語ることによって現実になる可能性がかなり高まってくると思っています。メンバーも競争でどんどん絞り込んでいって、最後は悔しい思いをした選手もいました。ウオームアップにも取り入れたりして、逆方向の打球が活用できるとか、短い距離の走塁など、野球につながるものはありました」