お金も生き方も人とは違うから。「脱テンプレ」でつくる自分だけの幸せなマネープラン
世の中は少しずつですが、小さな声が取り上げられるようになり、多様性を尊重する社会に変わりつつあります。 お金も生き方も人とは違うから。「脱テンプレ」でつくる自分だけの幸せなマネープラン ところでこの多様性、普通の人(と自分では思っている人)ほど、自分のことだと考えていない節があります。「多様性といっても自分も、友人も、家族も、関係のない話」と思っているかもしれません。
多様性が重視される社会。それってお金のことでも同じかも?
しかし、多様性の問題は、あなた自身の問題でもあります。マネープラン、ファイナンシャル・プランニングの世界においては、「同じ人は1人としていない」という現実がすでに到来しているからです。 もちろん、お金の基本的な知識を身につける際、何らかの「テンプレ」が存在します。たとえば、以下のような一方通行のもの。 (学校を卒業)→(就職)→(結婚)→(子どもの誕生)→(家を買ったり、子の学費準備をする)→(定年退職)→(年金生活) 『人生ゲーム』をやったことがある人はわかると思いますが、人生のテンプレートのようなものがセットされています。進度は異なるものの、サイコロの流れに沿って人生を描いていきます。 かつて、団塊世代はそうでした。この流れは、1980年代に社会人になった世代までは、おおむね維持されていたといえます。テンプレをはみ出した人のほうが明らかに例外でした。 そして「人生のテンプレ」があることは、準備する本人にとっても、アドバイスする側にとっても(そして家等を売る側にとっても)、単純で楽でした。
結婚・子育て・リタイア。「一人ひとり違う」し、違っていい
しかし、現代のライフプランやライフステージは人それぞれ。たとえば以下のように、10人の人生は10通りといっていいほど違いが生まれます。 結婚:そもそもするか、しないかの違いが当たり前になった。結婚する場合でも結婚のタイミングは大きく違う。 子育て:結婚をしたとしても子どもを産むか、いつ産むか、何人産むかの違いがある。結婚時期の違いと合わせると、同級生で子の年齢が20歳違うこともある。もちろん子どもを持たない夫婦の選択もある。 住宅:親と同居できる場合、リフォーム等の資金だけで済むケースも増えてきた。一方で親が地方在住で自分が都会暮らしの場合などは、全額ローンを活用しつつ購入することは今までと変わらない。エリアによっての値段差も大きい。 実際、私と同年代の友人FPとを比べてみましょう。その人は子ども2人がもう社会人で、子どもの学費の負担は終了しました。週末といえば趣味のゴルフ三昧です。 私はどうかといえば、まだ小学生の子どもが2人いて、これから本格的に学費に追われる10年くらいを控えています。週末は小学生が喜ぶイベントが何かないかスマホで検索しているような感じです。 人生は一人ひとり違うし、むしろ違っていいのです。