神戸弘陵、県内3冠達成!神戸科学技術を下し3年ぶりの選手権へ
第102回全国高校サッカー選手権兵庫県予選の決勝が12日に行われ、神戸弘陵と神戸科技が対戦。DF3柴尾美那(3年)の先制点を皮切りに得点を重ねた神戸弘陵が3-1で勝利し、3年ぶり12回目の選手権出場を決めた。 【フォトギャラリー】 神戸弘陵 vs 神戸科学技術 今季の神戸弘陵はすでに2月の新人戦、6月のインターハイと県内2冠を達成。3つ目のタイトルを獲得し、完全制覇に向けた意気込みは強かった。試合の入りの良さにも繋がり、前半3分には早速、右CKを獲得する。キッカーを務めたのはMF10北藤朔(3年)。ニアに立つDF4岡未來(3年)に当てたボールを貰い直すと、後方からサポートに入ったDF18阪上聖恩(2年)がクロスを展開。最後はゴール前の柴尾がヘディングで叩き込んだ。 神戸科技の守備を研究し、デザインした見事なゴール。幸先の良いスタートを切った神戸弘陵は、9分にもカウンターからFW16石橋瀬凪(2年)がシュートまで持ち込むなど攻撃の手を緩めない。12分にはMF17木津奏芽(2年)のスルーパスから、MF7佐波昂大(3年)が相手ゴールに迫ったが、懸命に追い掛けたDF河邉天真(3年)に防がれるなど思うように追加点が奪えない。 それでも、選手に焦りは見られない。阪上は前半の展開についてこう振り返る。「弘陵はいつも2点目を奪うまでに時間がかかるけど、チャンスを作れたり、ゴールに迫る場面がいっぱいある。このまま気を抜かずに行こうと思っていた。動かす所は動かすけど、相手が内に絞っていたらサイドを広げるなど、相手を見て判断するサッカーをしっかり練習してきたので、そこを意識しました」。 対する神戸科技の奮闘も目を惹いた。格上の相手ではあるが、引きこもって守るのではなく、ボールを持たれるのは想定した上で狙い所を定めてボールを奪いにいく。実際、MF8水谷滉(3年)が良い形でボールを奪い、カウンターに持ち込む場面やリスタートから神戸弘陵のゴール前に侵入できていた。 14分には右サイドでのスローインから川邉がシュートを放ったが、DFに阻まれCKに。24分には左CKから、ファーのDF橋本涼汰(3年)がヘディングシュートは放ったが、GKの正面に終わる。 以降も押し込まれながら反撃を狙ったが、「やらなければいけないこと、やってはいけないことの区別がしっかりできていた」と振り返る岡を中心とした神戸弘陵の守備を破れない。 再び試合が動いたのは後半16分。佐波がDFの背後に入れた浮き球からFW9馬場悠平(3年)が抜け出すと、PA内での切り返しからパスを送る。反応したのは長い距離を端込んだ佐波。「馬場が良いボールをくれたので、自分はゴール前に入り込んで左足で合わせるだけでした。自分が裏に走れば、馬場なら出してくれるかなと信頼していた。走れば入るかなと思っていた」。そう振り返る一撃が ゴールネットを揺らし、神戸弘陵がリードを広げた。続く19分には馬場がPA内で神戸科技のボールを奪い3点目をマークする。 試合の行方は決まったが、最後まで諦めない神戸科技の姿勢も光った。33分には河邉のパスから途中出場のDF3森本乾仁(3年)がゴール前にクロス。ゴール前に走り込んだ河邉が頭で落とすと最後はFW7桑原輝(3年)が押し込んだ。結果的には3-1で勝利した神戸弘陵の強さを感じたゲームになったが、最後まで諦めずに戦い続けた神戸科技も称賛に値する。 3大会で力の差を見せつけた神戸弘陵は全国大会での躍進にも期待十分。選手も手応えを感じており、佐波は「全国ではショートパスとロングパスを使い分けて、弘陵のスタイルを崩さず戦いたい。そこは(初戦敗退で終わった)夏とだいぶ変わってきている所なのでやれる自信はある」と意気込んだ。 (文・写真=森田将義)