【霞む最終処分】(46)第8部 デブリの行き先 2051年までの廃炉「困難」 「搬出先」確保の議論を
汚染レベルを把握できている一般原発の放射性廃棄物や、中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)に保管されている除染土壌でさえ処分先は定まっていない。経済産業省資源エネルギー庁の担当者は「性質も総量も未確定なデブリの行方を決める作業は相当、難航する」と認める。 原子力工学が専門の東京大大学院工学系研究科教授の岡本孝司はデブリの行き先の選定には「社会的な合意形成が重要になる。国や東電を中心に慎重に検討する必要がある」と指摘する。 「デブリの定義、法的な位置付けがあいまいなのが問題だ」。閣僚経験のある福島県関係の国会議員も、処分先選定には時間を要するとの認識で一致している。事故から13年余りが経過した現状を踏まえ、「最終的な敷地外処分を法律で位置付ける方法も選択肢の一つだ。政府はそろそろ議論を始めるべきだ」と語る。後世につけを残さないため、デブリの行き先を探る時期に来ている。(敬称略) =第8部「デブリの行き先」は終わります=