「資産1億円超」の富裕層と「資産5000万円以上」の準富裕層は日本にどれほどいる?お金持ちの共通点
日本で富裕層は増えている
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、2002年の平均所得額は602万円、中央値は485万円でした。 これに対し、2023年は平均が524万000円、中央値が405万円となっており、この20年程度で減少していることが分かります。 しかし、先ほどの野村総研の調査によると、富裕層の世帯数は2005年~2021年にかけて右肩上がりに増えていることがわかっています。 日本人の全体的な所得は停滞しているものの、富裕層の資産は順調に伸びているのです。 ●「富裕層」と「超富裕層」世帯が保有する資産総額の推移 ・2015年:272兆円 ・2017年:299兆円 ・2019年:333兆円 ・2021年:364兆円 その理由のひとつとして、相続の影響が考えられます。
富裕層の世帯数や資産額が増えるひとつの理由
三井住友トラスト・資産のミライ研究所が実施したアンケート調査からは、相続資産額の規模が増加していることがわかります。 これにより、富裕層の世帯数や資産額が増えていると考えられます。 ●相続や贈与による資産増 三井住友トラスト・資産のミライ研究所が実施したアンケート調査によると、「相続を受けたことがある」と回答した人の相続資産規模は以下のとおりでした。 ・20~29歳:906万円 ・30~39歳:2628万円 ・40~49歳:1677万円 ・50~59歳:2850万円 ・60~69歳:2463万円 ・平均:2346万円 相続する際、「株式」や「債券」「投資信託」などの金融商品を相続している人も多いようです。 日本が経済成長していくにつれ、金融商品の価値が上昇すれば、相続により資産が大幅に増えることになるでしょう。 そもそもこれからの社会において、若い世代が少なく、高齢者が多いという構造がますます顕著になると考えられます。 一人っ子が増えることにより、相続は一人に集中する傾向が強まるでしょう。 本人の意図しないかたちとは言え、相続により「富裕層の仲間入り」となるケースがあると考えられます。 <調査概要> ・三井住友トラスト・資産のミライ研究所「相続資産の規模と形態について」 ・対象年齢:20歳~69歳 ・回答者数:1766人 ・リリース公開日:2022年11月16日 次章からは、富裕層の共通点として「お金の使い方」を見ていきましょう。