元トラック運転手に有罪判決 東北道3人死亡事故 仙台地裁
宮城県栗原市の東北道で昨年5月、停車中のバスにトラックが追突し、留学生ら3人が死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた元トラック運転手、久保光被告(31)の判決が2日、仙台地裁であった。宮田祥次裁判官は「前方注視という最も基本的な義務に違反した」と述べ、禁錮1年6カ月執行猶予4年(求刑禁錮1年6カ月)を言い渡した。 【動画】東北道でバスにトラックが衝突した事故 直前の様子 判決などによると、被告は昨年5月16日夜、東北道下り線でトラックを運転中、前方左右を注視する義務を怠り、ハザードランプを点灯させて止まっていたバスに追突。点検のため、バスの後方にいた運転手の女性(当時56)と、当時27歳と21歳だったネパール人の男性留学生2人をはねるなどして死亡させた。 バスは、2人を含む留学生ら約40人を乗せ、仙台市から、アルバイト先の工場がある岩手県一関市に向かう途中だった。 判決は、ブレーキをかけずに衝突しており「違反の程度は著しい」と指摘。夢に向かって進んでいた留学生ら3人が亡くなった結果は重大で、遺族が深い喪失感を抱くのは当然だとした。 一方、バスが路側帯ではなく走行車線に止まっていたことや、発炎筒などが使われていなかったことなどを考慮し、刑の執行を猶予するのが相当だと判断した。(阿部育子)
朝日新聞社