ソフトバンク 山川穂高獲得へ 反発の声が強まる「背景」「埋まらない穴」とは
西武からFA宣言を行使し、注目の存在となっていた山川穂高内野手の去就がいよいよ明らかになってきた。 12月14日、スポーツ各紙はソフトバンクが山川と入団交渉を行い、大筋合意に至ったと報じている。4年総額16億円超にも至る大型契約となる見込みで右の大砲を補強ポイントとしたチームが、満を持して獲得に乗り出した形となった。 一方、乗り越えるべきハードルもありそうだ。今回のSB山川獲得に関してはSNSを中心に反発の声が強まっている。 3月のWBCにも侍ジャパンの一員として出場した山川が女性問題をめぐるトラブルが週刊誌に報じられたのは5月のこと。強制性交容疑で書類送検され、ファーム落ちとなった。今季出場はわずか17試合にとどまり、その後嫌疑不十分で不起訴処分となったが、球団からは公式戦出場停止処分を科されている。 仮に移籍となれば、在籍球団の判断ということで出場停止処分については解除されそうだが、ファンからの拒否反応をどう解消していくのかは難しいポイントとなりそうだ。2020年以来、優勝から遠ざかり、オリックスの独走を許している常勝軍団の戦いぶりをめぐってはただでさえファンのフラストレーションもたまっている。 今回の山川獲得へ反発の声が高まる背景には、四軍制も敷きながら、近年は一軍レベルで若手野手を排出できていない育成システムにも疑問の目が向けられている。 また、過去3度の本塁打王を獲得のスラッガーが加わることで打線に厚みが出る一方で、それでも埋まらない穴も注目されている。 投手陣に関して今季のチーム勝ち頭は昨オフ、メジャーから移籍し、シーズン途中からフル稼働となった有原航平の10勝、次がチーム最年長左腕である和田毅の8勝と先発陣の不振も目立った。チーム防御率はリーグ4位の3・27。リーグ3連覇のオリックスの2・73とはピッチングスタッフの面でも大きく水をあけられているとあって、今オフはオリックスからFA宣言した山崎福也の獲得にも動いたが、日本ハムへ移籍を決断と獲得は叶わなかった。来季は後ろを務めてきたイバン・モイネロが先発転向となるなど、先発陣の層の薄さをいかにカバーするかはチーム課題として残ることに。 来季から小久保裕紀新監督が指揮を執ることになり、V奪回への道が注目される。果たして山川はどんな役割を任されるのか、反発の声を応援に替えるには結果を出し続けるしかなさそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]